ぶーちゃんばあばと水沢観音(2)

ぶーちゃんばあば、姉ばあば、私、2-1号と年齢差約70という異色のパーティーで伊香保に向かう事となった4人。

姉ばあばは、当然70歳を超えたご老人であるが、野菜の収穫が忙しい時にぶーちゃんばあばの家に手伝いとして駆り出されている。そもそも、収穫した野菜は、汚れを取ったり、虫や傷のチェック、規格に合わせたサイズ分けなど何気に手が掛かるので猫の手でも助かるくらいだそう。

ちなみに、2-1号もゲームを遣りたいが為、段ボールの箱作りや掃除を手伝い、その後、私の元に「ゲームやって良い?」と許可を得に来るのがここでのルーティーンである(笑)。

ところが、今日に関してはぶーちゃんばあばの企みにより予定変更となった父親の巻き添えでゲーム時間を削ってのお出掛けとなりいじけたまま助手席でぼーっとしている。

おかげで、車の中では「飴舐めるか?ジュース飲むか?」とぶーちゃんばあばにしばらく、気を遣わせていたのだが最初の目的地、水沢観音につく頃には、すっかりいつも通りの五月蠅いお子様に戻っていた。

水沢観音に近づくにつれ、「〇〇のうどんがうまい」「うちが行くときは××だ」などと後部座席でばあば達が話している声が響く。

しかし、案の定である。昼時を迎えている名所のうどん屋さんはどこも並んでいる。そこで、まずは観音様にお参りしようとそのままお寺に向かい、昼食は伊香保温泉というプランを展開し採用された。

観音堂で2-1号とぶーちゃんばあば
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水沢観音で焼きまんじゅう

観音様を参拝、六角堂で六地蔵を回して敷地内の露店を眺めて駐車場に戻る途中、多少腹が減っていた2号の前に例の上州名物が現れた。香ばしく、甘い香りが食欲をそそる群馬県民のソウルフード「焼きまんじゅう」だ。

実は埼玉北部~秩父でもメジャーな食べ物で、私が子供の頃は、近所の神社に移動販売のミニバン(だったと思う)が来ていた。大ばあばにお小遣いを貰い買って食べた記憶の中の焼きまんじゅうは、いまだ私の中でNo.1である。

2-1号も私が焼きまんじゅう好きである事は知っていて、時折TV等でそれが映ると「パパの好きな焼きまんじゅうだよ!!」と無駄にテンションを上げている。ただ、本人は焼きまんじゅうを食べたことがあるとは言っても何年も前の事で、味は記憶にないらしい。

焼きまんじゅうの事

情報化社会により上州エリアの人以外にも十分に認知されたと勝手に思っている焼きまんじゅうだが、ご存じでない方の為に一応補足させて頂く。

それは、餡の入っていない饅頭4つを太めの竹串に挿して焼き、甘く濃厚な味噌ダレを付けた食べ物である。ポジションとしては、多少ボリュームのあるおやつと言う感じだ。

これは、2号の勝手なイメージなのだが、その見た目とネーミングから食わず嫌いで敬遠されるご当地名物なのではないかと心配になるのだが、食べた事の無い人には「是非一度!」と進めたくなる名物である。

実際、横浜生まれの2号嫁は「何で餡も入ってないのに饅頭なの?」と未だ納得いかない様子。これも良くある話で、実は焼きまんじゅうには、何も入ってないプレーンと餡入り饅頭を焼いた物の2種類があるのだが、群馬県民でも餡入容認派と否定派がいて論争になるらしい。

ちなみに私は餡入りを食した事はない。だがしかし、あえて言わせて頂きたい「焼きまんじゅうには、餡は不要である!」

脱線が長くなりすぎた事、無駄に感情的になりすぎた事、深くお詫びいたします。

水沢うどんを見送った事で、小腹が空いていた一行に訪れた焼きまんじゅうの誘惑。ぶっちゃけ・・・私の中では、水沢うどん<丸亀正麺(どちらにも失礼!)なので、昼食は何でも良かった。

ただ、その匂いに包まれた私の足は止まり、昼食前だというのに気がつけば3串の発注を終えていた(ばあば、姉ばあば、私に各1串)。なぜ3串かと言えば、「2-1号も焼きまんじゅう食べるか?」との投掛けに、食に保守的&比較的小食でもあるうちの子は「俺、いらない」とそっ気のない態度を取ったのである。

それでも、折角お出掛けし買うのだから一口だけでも食ってみろと私に焼きまんじゅうを渡されて、頬張るとおとーちゃんの所に戻って来た時には何故か串には饅頭が2つだけとなっていた。

まぁ、我が子と思い出の味を共有できたという事で悪い気はしなかったが、それを見ていたぶーちゃんばあばが「私のを一個やるよ」と申し出て来たのは想定外だった(笑)。

焼きまんじゅうを堪能し、これで心置きなく温泉街に向かえると車に乗ったところで2-1号の一言。

2-1号:ねぇ、ここって何で水沢観音ていうの?

おい!と突っ込みながら思い出す。2-1号にとって、観音様と言えば横浜のばーばの家から程近い大船観音であり、観音様=大きな物なのだ。

その後、ここの観音様はお参りした観音堂の中に祀られていたんだよと聞かされ、もう一度行って観音様を見たいと言い張る2-1号の申し出を一瞬で却下しお待ちかねの伊香保は温泉街に出発した。<続く>