『年代物こね鉢』の補修をした話【前編】:DIYで代用うるし塗料使ってみた

こね鉢とは、蕎麦打ちの道具で蕎麦やうどんをこねる時に使用する鉢状の道具。

日本には、天然の木材を使った物から樹脂製まで大小様々なタイプのこね鉢がありますが、木製の場合は大きな器でも一枚のぶ厚い板をすり鉢状にくり抜いて製作するため、簡単に制作できる物とは思えない迫力があります(集成材等は使わず無垢の木材使用)。

最近では、蕎麦打ちやうどん打ちを趣味にする人も多いようで、少量の粉をこねるための小型で樹脂製のこね鉢もよく見かけます。

そして、実家には昔から使われてきた大きなこね鉢があって、2号の祖母が亡くなってからのこの20年は放置状態。

自身も蕎麦を打ってみたいなと時々思う2号ですが、DIYの遊びも兼ねて使用されなくなった年代物のこね鉢の再生にチャレンジです。

仕上げには、以前から気になっていた漆”風”塗料の『工芸うるし(和信ペイント)』を漆の代用として使ってみたので、工芸うるしを使った際の手順と使用感もレポートします。

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田舎うどんはこね鉢で!

2号の実家であるじーじとばあばの家がある埼玉県北部は、昔は小麦の生産が盛んな地域だったらしいです。そして、埼玉県は今でもうどんの生産量も全国2位なのだとか。

最近では埼玉県自体うどん県をアピールしていたりしますが、確かに、昔は実家周辺でも小麦を作っている農家さんをよく見かけました。

そして、2号が小さな頃は祖母がうどんを打っている姿も見慣れた物でした。

祖母が作ったのは、一般的な田舎風のうどんである煮込みうどんつけ汁で食べるうどん

その他にも平打ちのほうとうタイプである『煮ぼうとう』。他にもうどんでは無いですが地元で『つみっこ』と呼ばれるらしいすいとんなどなど。

その中でも『つみっこ』は、近年、自治体も郷土料理としてアピールしているようですが・・・正直、世間的な認知には程遠いと言わざるを得ません(笑)。

2号の祖母である大ばあばが亡くなって20年以上。

最後に使われた時から数えたら25年は経過しているであろうじーじとばあばの家のこね鉢

少なくとも作られてから80年は経っていると思われるそのこね鉢を補修して、蕎麦を手打ちしてみたいなと思った2号は、こね鉢の補修を始める事にしたんです。

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こね鉢補修は塗装前の準備作業から

母屋の2階で、ぶーちゃんばあばが雨漏りの水受けとして使用していたこね鉢(笑)。

がっつりかぶっている埃を払って確認すると、懸念していた大きなヒビや虫食いは見られず一安心。

しかし、そのままクリーニングして使うだけでは楽しくないという事で補修する事に決定です。

補修内容は表面の塗装。

多少の傷と10cm程度の浅いヒビが見られたこね鉢ですが、基本的には簡単な補修のみで傷についても大きなもの以外はそのままにして塗装する事にします。

そして、頭の中では『塗装するなら漆でしょ!!』と心の声が響き渡りますが、入手と作業時の扱い、乾燥時間の問題で却下(いつか扱ってみたいw)。

使うのは、WEBやホームセンターでよく見かける和信ペイントさんの漆”風”塗料である『工芸うるし(水性タイプ)』に決めて早速近所のカインズホームで調達。

まずは、下地作りでこね鉢の気になる傷を埋めていきます。タイトボンドⅢに木材研磨の際に出た木粉を適当に混ぜ、なんちゃって砥の粉を作り穴埋めして、ヤスリ掛け可能な状態まで乾燥。

細かな傷はそのままに仕上げる予定なので、下地を作ったところで仕上がりでは傷が目立つのは仕方ありません。それでも何故か磨きたくなるから不思議です。

塗装と言えば、子供の頃にはプラモデル。大人になってからは、木工やDIYで車の板金塗装等でも塗料を扱う2号ですが、そういった遊びで実感させられたのが塗装は下地作りが重要という事。

特に木工の鏡面仕上げや車の塗装なんて、どんなに塗装に気を使っても下地が悪ければリカバリーできないので気が抜けません。

まぁ、普段の木工や自動車の塗装なら絶対に放置しないサイズの傷をそのままにして塗装するつもりの2号が言える事じゃないんですけどね(笑)。

作業をしながら一人でそんなノリツッコミをしながらヤスリ掛け。

エアツールのサンダーを使って180→240→400→600と磨けば下地準備も完了です。元の漆(?)を全て剥がすのは面倒に思われたので表面が整った状態で終了。

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意外と伸びが良かった『工芸うるし』の使い勝手

最近では、塗装をする際にはプレーガンやエアブラシが殆どの2号ですが今回は筆塗り

もしかしたら、工芸うるしもスプレーガンでいけたかもしれませんが、その為にはかなり希釈が必要だったろうと思います。更には、重ね塗りが面倒臭そう(笑)。

そもそも和信ペイントのWEBサイトでも工芸うるしの使い方では筆塗りで紹介していたので今回はスプレー塗装を選択肢から外します。

下地作りの終わったこね鉢を準備して、残った埃を落としウエスで塗装面を拭いたら準備万端

容器からカップに工芸うるしを取り分けて、塗料の状態を確認すると希釈せずにそのまま塗れそうな感じだったので筆に塗料をしみこませてこね鉢へ

印象としては『かなり伸びの良い塗料だな』と言う事。

原液のまま使っても塗れる程度に軽いのに、水っぽさがないので伸ばして塗ってもある程度色持ちが良いのは意外でした。

本物の漆他の漆風塗料を使った事が無いので、比較はできませんが塗りやすい部類に入る塗料じゃないかな・・・と感じます。

ちなみに、最初に2号が使った工芸うるしは、こね鉢の内側を塗る為の『鎌倉赤』で、4色ある赤の内では最も深い色でした。

補修初日は、最初のペーパー掛けの前に縁の部分を同じく工芸うるしの黒を塗り一度目の下塗りを終えた所までで終了です。

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延し台(のし台)の再生は電気カンナが大活躍

こね鉢の補修と並行して延し台(のし台)の補修にも手を出していた2号。

やはり数十年と思われる年季の入った延し台は、固着した小麦粉や汚れが表面にまとわりついて放置状態。

更に、ネズミがかじったであろう跡や虫食い等も見られた為、表面を電気かんなで削り取る事にして補修を開始しました。

当初、DIY用の小型の電気かんなを使用して削りを開始したものの、その電気かんなの状態が悪く延し台の表面に大きく縦方向の筋が何本も入ってしまうトラブルが発生。

仕方なく、お向かいの大工さんから頂戴したプロ用電気かんなを持ち出してかんな掛けをやり直し、何とか平面を作る事に成功。

一気に仕上げる事も出来ましたが、かんな掛けの後は断続的な作業で進めます。

こね鉢と並行して進めながら『こね鉢の塗り』において発生する乾燥時間を有効活用するために待ち時間での作業としました。

ひび割れや虫食いの跡は、なんちゃってとの粉で埋め、乾燥後に仕上げ磨き。

延し台は、粉を振ったりもするので、荒い傷をなるべく落としたいと80番のサンドペーパーから始め、1200番でのフィニッシュ

塗料乾燥までの待ち時間メインの作業で、最終日にこね鉢の仕上げ磨きをする前段階でなんとか使用に耐えうる状態に出来ました。

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DIYのこね鉢再生が無事終了

主役となるこね鉢再生に考えた塗装は3回の重ね塗り。

上部の写真は、内と外の『工芸うるし』の下塗り一回目が終えたところで、翌週の作業日は乾いた下塗りを研ぐことから始まりました。

前出のように、塗って乾いたらペーパー掛け・・の作業を2回繰り返し、最後にペーパー&コンパウンドで仕上げる作業になるので、まずは一度塗るごと400→600→800番の順でペーパーを掛けて再度塗るという形。

感覚的には自動車のDIY塗装とほぼ同じだろうとお気楽に進める2号。

実際、その通りで磨いた部分は白濁して艶がなくなるので、その上から再塗装という流れです。

800番のペーパーを全体にかけ終わったところで次の塗りに進みます。

2度目の塗装では、一度目と比較して発色も良くムラも殆ど見られません。

それこそ、上部の様に画像で見るなら『既にこのままでも良いんじゃね?』って思えるくらいになっているようにも感じます。

ですが、2号的に気に入らない点もある訳です。

一番気になるのはピカピカすぎるって事(笑)。

補修して、新たに塗料を塗っているのでピカピカで当たり前なのですが『古民具の良さが無いじゃん!』って気になっちゃうんです。

他にも、筆塗りなので肉眼で見ると筆の跡も多少気になったりしてました。しかし、筆塗りの跡を消すには磨くしかない・・・そんな葛藤のせめぎあい。

同時にマット(艶消し)仕上げには出来ない理由もありました。

仮に目の細かいサンドペーパーで表面を研いでマット(艶消し)に仕上げる場合、下地に凹みがあるとその部分だけ艶が残って目立つ事。

傷や凹みの部分にはペーパーが当たらないので当たり前なのですが、艶消しにすると悪目立ちする事ハンパないのです。

仕上げ方法を決定せぬまま迎えた最終日

選択されたのは、半光沢という逃げの選択とも言える仕上げ方(笑)。

3度の塗装を繰り返したこね鉢を600~2000番へと徐々にペーパーを細かくし、最終的にはコンパウンドで表面の状態を確認しながら仕上げる事にした2号。

研ぎすぎると下地の木が出てしまう恐怖と闘いながら、ぎりぎり許容できる範囲で妥協する事になりました。

・・・いつもの事ですが(笑)。

おしまい