初めての蕎麦打ちとこま板・まな板の自作:『年代物こね鉢』の補修をした話【後編】

うどんや蕎麦を打つのに欠かせないこね鉢。

実家には、最低でも70年以上前に作られ、20年以上も本来の用途で使われていなかったこね鉢がありました。

ほんの遊び心で『自分で蕎麦を打ってみたい!』と思い立った2号が、貴重な週一の休みである日曜日を計3日費やしてこね鉢と延し台(のし台)の補修を行った時の記録が前回のお話。

その3日目。

何とか使用に足る状態へと補修されたこね鉢を使い、悪戦苦闘しながら蕎麦を打った初チャレンジの記録が、『年代物こね鉢』の補修をした話後編で御座います。

文中では、蕎麦打ちに欠かせないこま板まな板の自作風景も取り上げていますので参考になれば幸いです。

是非ご覧あれ。

PR広告

料理好きなら蕎麦を打つなんて余裕でしょ!

短い期間ではあっても厨房を職場としていた事のある2号。

多少ですが、パイやケーキで『粉物』に触れる機会があった2号は、自分の中で失敗のイメージを持っておらず『蕎麦打ちも余裕でしょ!』と勝手に思い込んでいました。

こね鉢と延し台の補修が終わるとインターネットで『蕎麦 打ち方』などと検索。

早速、蕎麦を打ちたい2号は、既にそば粉については発注・お届け済み(笑)。そして、後は分量と簡単に手順を確認するだけだとスマホ片手にWEBを確認して気が付きます。

あれ?

こま板と麺を切る台って必要じゃね?

って事に。

当然、これまでの人生において、蕎麦を打っている様子は、TVやネットの画像等で見た事が有りますが自分で打った経験はなし。

そして、取り敢えずこね鉢と延し台の補修メインで遊んでいたこの3週間。

蕎麦打ちを舐めていた2号は、蕎麦の打ち方を検索する事すら後回しにしておりました。そば粉は数日前にAmazonで発注していたくせに・・です(笑)。

こね鉢の補修を完了させたこの時、蕎麦を打とうと思いネットで情報を検索してはじめて道具が不足している事を思い出した始末なのです。

・・・作らなきゃ。

PR広告

蕎麦切り道具も自作でしょ!【こま板】と【まな板】の作り方

のし台こね鉢、そしてのし俸は実家にある年代物のメンテナンスで調達済。

しかし、それ以外にも小物道具が不足している事に気が付いた2号。

不足しているとは言っても、最悪『まな板』は他の物で代用するのも難しくない道具です。

しかし、蕎麦を切る時に包丁を当てて使う『こま板』は用意する必要があると考え、この時点で2号の工作部屋にある手持ちの端材から数秒の試案の結果、この2点は自作する事に決定しました。

そして、結果で言えば、素人の蕎麦打ちに『こま板』は極力あった方が良いと感じました。自作するのが難しいと考える人は購入をお勧めします。直線で細く切ろうとするなら、有った方が断然切りやすいからです。

自作する蕎麦打ち道具:まな板とこま板の作り方

自作する事に決めた『まな板』と『こま板』の内、一定の加工が必要となると考えたのはこま板のみで、作り方も至極簡単に思われました。

ただ、素材としては木工遊びで出た端材を使えば簡単に揃えられる程度の物だったので、気負わず製作スタートです。

こま板の自作方法

こま板は畳んだ蕎麦の生地に乗せ、細く切る為に包丁を当る道具ですが、こちらも端材で製作する事にして適当な材を見繕ってサイズを決めたら製作開始。

こま板の底面になる部分は、厚み優先で4㎜のベニヤ材で、その他の素材は余っていた赤松(多分)をサイズを合わせてカットして張り合わせ。

包丁やそばに触れる為。基本的に釘やビスを使わずに組み立てた方が良いだろうと考えて、各材はまな板にも使えるとメーカーが衛生面も豪語しているタイトボンドⅢで接着。

ちなみに、ホームセンターで売っていて、タイトボンドⅢよりもリーズナブルなゴリラシリーズもありましたが、『飲食物や口が直接触れる箇所にはご使用いただけません』とHPに記載あったので使用を避けました。

こま板の自作手順

①の板に②の角材を接着。乾燥したら③を接着して固定。①の板に③を乗せたくなりますが、包丁が当たる面になるのでこの形としました。

①②が完全接着したら③を取り付けて最後に底面を磨いて完成という形。

参考にしたサイトで蕎麦打ちの際には幅60cm程度の生地を3枚に折るとあったので、その際の寸法概算20cmよりは少しだけ大きくしたかったのです。

ちなみに、サイズとしては奥行きがまな板よりやや小さめの24cm、幅は約30㎝くらい(測ってませんw)。

2号のこま板製作では、①の板はあまり厚いとこま板の重量でで蕎麦を押しつぶしてしまいそうと思い4㎜の合板。

本当は何かの無垢材を使いたかったですし、各パーツの組み立てもホゾやダボ加工をしてから接着したかったのですが、加工にかける時間が無い事から断念。

ただ、蕎麦に接する面だけは240→400→800とサンダーを掛けて蕎麦の生地に対して摩擦を減らせるよう可能な限り滑らかに仕上げました(笑)。

まぁベニヤですが(笑)。

蕎麦切り用まな板の自作方法

まな板程度であれば他の物でも代用がききますし、普段使いのまな板でも切れるのは事実です。

しかし、まな板に関しても長さの問題で自作する事にしました。

やっぱり、延ばして畳んだ蕎麦生地を長いまな板に乗せ、こま板を当ててリズミカルに切ってみたいじゃないですか・・・とそんな理由。

そして、製作には本当は長く保管していた皮付きのイチイ一枚板を想定していたのですが、残念ながら幅が足りず断念。

更にネット情報から500gの蕎麦を伸ばすと65cmを超えるだろうとの事で、まな板として奥行きが最適だったパインの集成材を代用する事にして丸ノコでカット。あっという間に70cm×30cm×1.5cmの蕎麦切り用まな板の完成です(笑)

一般的に日本でまな板として使われる木材は、イチョウ・ヤナギ・ヒノキなどが多いようです。木材の質として柔らかい方が包丁を傷めずに使えるという点から好まれるとの事。

しかし、今回のまな板は蕎麦を切る為だけに使う事を想定して自作しているので、木材の種類は全く気にしていません。作り方は、前出のこま板と比べても更に簡単です。切るだけなので(笑)。

そして、蕎麦切り包丁自体も切れ味をそこまで求めるモノでもないのかな・・と考えてもいます。

2号は手元にあったパイン集成材で作成しましたが、最近ホームセンター等で良く見かけるアカシア集成材などもあります。洋風のカッティングボードとして製作する人はこちらタイプを使うことが多いかも知れません。

PR広告

人生初の蕎麦打ち開始

こま板とまな板の製作完了で一通り道具の準備を終えた後、待ちに待った蕎麦打ちです!

2号の用意した手打ち蕎麦材料

  • そば粉(長野の業者さんから入手) 450g
  • 強力粉 50g
  • 水(水道水) 230cc

素人が初チャレンジの蕎麦打ちですが、そば粉9割で打とうと考えるあたりに2号の身の程知らずが透けて見えます。

水回しは慎重に4回に分け、全体の水分量を掌に感じながら細かなそば粉の塊を作る事を意識して、その後大きな一塊として『へそ出し』『地のし』へと進めます。

PR広告

はじめての延し&蕎麦切り

実際に蕎麦打ちを始める前、Youtubeで観た蕎麦打ちの動画。

その中で職人さんが話していた事も、自分で体験して初めて理解できた感じがしました。それは、自身が他の調理経験と照らして想像していた物と合致する部分もあれば、初めて実感した事もあります。

他の投稿にも書きましたが、特に水回しは本当に『百聞は一見にしかず、百考は一行にしかず』だなと思わされて大納得でした。

そして、いよいよ地のしが終われば、蕎麦打ちの本番とも考えていた『丸出し~本のし』へと佳境に入ります。

ぶっちゃけ、本のし作業に入るまではやっぱり蕎麦打ちを舐めていた2号でしたが、のしの工程で生地が薄くなるにつれ、難易度が上がるのを実感していました。

結果、うち粉の加減や本のしのコツを掴み切れないまま、切りの工程に入ってしまったのです。

更には、その蕎麦切り工程でも思うような細さに蕎麦を切る事が出来ず、大きなショックを受けたのは言うまでもありません。

そんな2号の初体験。

蕎麦打ち自体は楽しめたものの、打ちあがった蕎麦に対しては全く納得がいかないまま。

自宅に帰り『やっぱり蕎麦切り包丁って必要だね!』なんて、強がって嫁に話しながらも自分自身が蕎麦打ちを舐めていたという現実に反省せずにはいられない・・・そんな蕎麦打ちチャレンジになりました。

ちなみに、蕎麦自体の味ですが、じーじとばあば、2-1号に2号嫁とそれぞれに『味はいいじゃん』と有り難いお言葉を頂きました。

でもね。

そば粉って製粉された物を買っているので、原材料の良し悪しが味に与える部分が大きいんじゃないかなんて素直に喜べない2号です。

おしまい