『車の塗装をできるブースがあったら良いな』と考えた事のあるDIY好きも多いと思います。塗装ブースは、範囲の広い車の補修を行う際には心強い味方です。その問題、格安な制作費用で車両塗装にも対応出来る自作の塗装ブースで解決!
今回は車の板金塗装で塗装ブースを自作した時のお話です(笑)
インターネットで補修用のスプレー缶等を使った塗装方法の紹介等をよく見ますが、個人で行っている人は殆どが屋外での作業ですよね。
勿論、換気など健康面への配慮という理由もあるでしょう。小規模の補修なら作業中の天候変化等に気を付ければ、何の問題にもならないかも知れません。しかし、車のドア一枚を超えるような面積となると少し不安じゃないですか?
そんな悩みを解決する【激安!1,500円で作れる自分専用の安価な自動車塗装ブース】作成の様子をご覧ください
車のDIY板金塗装は塗装ブースの自作でレベルアップ?
2号の場合は、自身の過去の失敗から必要に駆られての塗装ブース製作。
実践して感じたのは、DIYで自動車の板金塗装をするための塗装ブースでも一時的な利用で使い捨て前提なら簡単に作れて割と実用性も高いくておすすめ!という事。
そこで作り方を含めてご紹介させていただく事にした訳です。
そもそもなぜ塗装ブースが必要なのか?
2号の経験から実感したのは、DIYで板金塗装にチャレンジした場合に最大の難所が塗装だったからです。
例えば、自宅の庭や空き地があった場合でも、塗装中の天候悪化は確実に心が折れてしまいます。仮に雨を防げたとしても塗装の天敵である埃を運んでくる風をしのぐ事は容易ではありません。
どんなに丁寧に作業を行っていても塗装面が乾く前に埃や砂がついては、一発で塗装は台無しになってしまいます(経験済みw)
そんな失敗の経験から、いくらDIYと言えども塗装の環境は可能な限り整えて作業をする必要があると痛感しました。そこで、車のDIY板金塗装に対応する安価で簡単な塗装ブースの製作を行った訳です。
実際の板金塗装作業にはこちらの記事も参考になります。
超簡単 低予算で自作する使い捨て車用簡易塗装ブース
今回紹介する簡易塗装ブースは、基本的に作業時のみ設置する使い捨てタイプ。
使用後は、燃えるごみとしてそのまま処分できちゃうのも大きな魅力じゃないかと思います。まずは、必要な資材をご紹介。車用簡易塗装ブースの素材をご覧ください。
簡易塗装ブースの自作に必要な資材
- 養生シート(車の大きさ、作業サイズに合わせて用意)
- PPよりひも(太さ1.5mm以上が良いと思います)
- 養生テープ
※上記だけなら1,500円でも揃います!
その他 準備する道具と必要に応じて追加する資材
- 送風用機材(サーキュレーターや扇風機でも可)※
- 電源延長ケーブル※
- 卓上扇風機又は小型扇風機(100均等)で換気扇の代用
- 屋外作業の場合はポールや支柱となる資材
- 簡易塗装ブースの補強資材各種
必要な物は、他のDIY同様近くのホームセンターで手に入る材料ばかりで最大でも2,000円あればお釣りの来る内容です。
上記のように設置する環境によっては、追加で準備が必要なものがあるかも知れませんが、基本的には入手困難な物はありません。
また、作り方自体は簡単で、製作時間については設置場所により1~2時間を見込みます。納屋や車庫の中に設置するなら丁寧に仕上げても製作時間は1時間程度。少し手間のかかる場合でも2時間あれば制作可能です。
個人で作業するマイカーのスプレー塗装なら、長期設置は必要ないと考えて長くても1~2日で取り壊すことを前提としています。予めご理解頂き、制作1時間、撤去10分の超簡単・コスト激安の簡易塗装ブース制作をご覧ください。
自分一人で作れる格安 自の簡易塗装ブースをご紹介
実際に車両の塗装に使用した簡易塗装ブースの様子がこちら。サーキューレーターからの送風のみでもこれだけブースが膨らみます(小型の排気ファンも設置済み)。
2号が制作したのは非自立型の簡易塗装ブースです。
制作前に、自作する塗装ブースの形状をいくつか仮定してみた2号。そこで検討した簡易塗装ブースは自立型と非自立型の2種類でした。
実際になぜこの形式で制作したかと言えば、簡易塗装ブースはじーじとばあばの家の納屋の一角に設置したからです。
納屋とは言っても、側面に壁が無く屋根のみなので塗装ブースの製作が必要と考えた結果この形になりました。
柱や屋根があったのは制作には好都合で、塗装ブースの骨格となるPP紐を結びつける場所もしっかりしており、少しの風なら影響ゼロの安定したブースが完成したと思います。
スポンサーリンク
DIYで簡易車両塗装ブースの作り方
【車用】吊り下げ式簡易塗装ブース制作手順
用意したPP紐を周囲の柱等に結んで固定して箱形の原型を作ります。その後、PP紐に養生テープを取り付けて隙間を塞げば簡易塗装ブースの完成という訳です。手順は以下の通り。
- 柱や壁など自動車よりも高い位置でPP紐を2本結ぶ
- 必要な幅を確保し垂直にPP紐を下す(地面との接地面には要おもり)
- 天井部分の四隅が動かないようにPP紐の張り具合を確認して必要に応じて追加する
- しっかりと張られたPP紐のフレームに養生シートを貼っていく
- 隙間の無い状態にしてサーキュレーターを設置
- ブースの一部に穴を空け卓上扇風機等を養生テープで固定
文章ではイメージしにくい部分に下手糞な図解をつけてみましたので参考にしてください(笑)。
2号は下に垂らしたPPより紐はブロックに結んで固定しました。そして、養生シートの隙間はテープで塞ぎ密閉します。
サーキューレーターで送風するだけでも塗装ブースは膨らみブース内の天井や壁面が萎むような事はありません。
また、小型の扇風機(モバイルや卓上)をブースの一部に穴を空けて取り付け換気扇の代わりとして強制排気も出来るように工夫してください。
密閉したからと言って送風するための機材を設置しないと僅かな風でも塗装ブースがあおられ作業に支障をきたします。更に外気の入らない塗装ブースは健康上大いに問題にもなります。
DIY簡易塗装ブース作成時のポイント
以下の点に注意してPP紐・養生シートの設置作業を行います。
- 制作する塗装ブースのサイズは最初に決めておく
- 車両を部分的に塗装する場合、車両自体もブースの一部とする事で安定性が増します
- 養生シートと車両の隙間から大きく空気が抜けるような隙間は作らない
- 塗装以外の作業は簡易塗装ブース施工前に完了させる
- 簡易塗装ブースの一角に排気ダクト代わりに穴を空け卓上扇風機等を設置(強度注意)
本ページで紹介している2号の作業に当てはめて説明をすると、この時のセレナは後部座席側のドアより後方が塗装ブースに入っているような状態。
張り巡らせたPPよりひもに養生シートを取り付けながら、セレナそのものにもしっかりと養生テープやマスキングテープで固定しました。4面ある簡易塗装ブース内のうち、一面分をセレナが担当する形になっています。
ほか注意したいのは、車のボディと地面との間に出来る隙間もしっかりと塞ぐのを忘れないようにする事。更に、塗装ブースに入らない部分の車ボディも確実に養生する必要がある事です。
仮に、当面以外のボディに養生をしなかった場合、塗装ブースに出来た隙間から塗料が非塗装面に付着するなどトラブルの元となります。
その他の自作可能な簡易塗装ブースを考えてみる
納屋や車庫内で塗装する場合には、実際にご覧いただいた【釣り下げ型簡易塗装ブース】の設置が容易で確実な方法だと思います。
しかし、そういった環境の無い場合、簡易塗装ブースの設置は諦めるしかないかと言えばそうでもありません。
2号は実家の納屋を利用して作成した簡易塗装ブースでしたが、車の塗装に使える塗装ブースは他の形で自作する事も大いに可能だと思いました。そんな【自立型簡易塗装ブース】についても少し触れてみたいと思います。
自立型塗装ブースあれこれ
自立タープ型簡易塗装ブース
キャンプ用品の流用から考えられるであろう簡易塗装ブース。
自立型のタープは設置も簡単で、PP紐も結びやすく例えば小型車の後部だけを塗装する場合などの小規模な簡易塗装ブースとして簡単に仕上げられると思います。使用する場合には、タープそのものに塗料が付着するなど内容に注意しましょう。
テントポール型塗装ブース
こちらもキャンプ用品を使った【テントポール型塗装ブース】も可能でしょう。
ヘキサタープなどに使われるテントポールはペグとロープの張力だけで自立します。4本のポールとPPよりひもを用意してスクエアを作る事が出来れば、後は同じように養生シートを取り付けていく事で簡易塗装ブースとなるでしょう。
その他塗装ブースに活用できそうな物
その他にも、自動車のDIY塗装に活かせそうなものはまだありますので考えてみるのも面白いかも知れません。例えば・・
- 農業用ビニールハウス
形状やサイズに寄りますが大型の物は十分使用可能と言えるでしょう。 - ガレージテント
大きく手を加えることなく、ほぼそのまま自動車の塗装ブースとしても利用可能かなと思います。
自分で作る板金塗装用 簡易塗装ブースのまとめ
良い仕事をするには環境が必須です。
塗装のように設備や作業そのものに時間が掛かる事柄であると、どうしても急いで作業を開始したくなるものです。しかし、段取りなくして成功はあり得ません。
そして、問題点もあります。外気を取り込んでいるとはいえ、紹介させてもらったのは温度調節機能のない簡易塗装ブースの為、夏場のような高湿度となる季節には、人体だけでなく塗装その物への影響も出やすくなりますので注意してください。
実際に設置・使用する場合に絶対に忘れてはいけないのは、換気と作業時間。
排気機能の設置、塗装に対応するマスクの着用は必須であると同時に、連続作業は避けて短時間で区切りながら実施するようにしましょう。
そして、夏場の作業等では換気の他、ブース内の温度が高温になって暑いという事も理解しておくことが重要です。2号が作業を行ったのはGWの連休中。それでも、ブースの中ではだらだらと汗をかく事になりました。水分や塩分の計画的摂取は必須と考えた方が良いでしょう。
とは言え実際に車用簡易塗装ブースを自作してみた2号。
使用感としては、過去の自動車DIY補修と比べても作業の安定性は飛躍的に向上、レベルアップしたと感じます。
僅かなコストと製作時間で思った以上に安価で実用的な簡易塗装ブースが出来た事には自分自身も驚きました。
これまで自分で車の塗装修理をしたくても、塗装ブースが無いからと諦めていた人も今回の記事を参考に実施する事が出来るかもと考えて頂けたなら嬉しいです。
実際の板金塗装自体の実践DIY記事もこちらで公開しているので宜しければご覧ください(笑)。