自動車のDIY修理が可能なら、ちょっとした補修は自分で直した方がお得ですよね。ただし補修と言っても板金~塗装まで範囲は広く難易度も大きく異なります。更には傷の内容や大きさ等どこまでDIY対応が可能なのか実践の記録です(笑)
素人DIYならではですが、デントリペアやスライドハンマーを使った作業について代用工具や作業方法についてもチャレンジしているので参考になれば幸いです。
ただ最初に言えるのは、普通の人なら修理工場に依頼するのが一番おすすめという事。何と言っても設備が違います!!
嫌味や言い訳、まして悪意があるなんて事は全くなく。
経験と技術、センスの違いは当たり前にありますが、それ以上に埋められない大きな差があるとすれば設備だなと思うんです。だって、自分の車を修理するために車以上のお値段を掛けて設備機材準備する人っていませんよね?
だから、多少お金が掛かっても少しでも綺麗に直したい。そう思ったら修理工場に依頼する以外に選択肢はないと言うのが真実かも知れません。
凹みを直すと言えば「叩き出し」
2号も綺麗に修理するなら修理工場に出すのが一番だろうと理解してます。
ですが!
車に傷がついたからと言って何が何でも跡形もなく綺麗に直さなくては納得いかない。そんな人ばかりでもない訳です。特に外装における車の修理って、経費と仕上がり具合のバランスで沢山の選択肢があるんだと思います。
一般的には掛かる経費と仕上がりのバランスで自動車修理を考えるのかなって思いますが、ごく稀に別の理由でDIY修理を選択する人もいるんです・・・2号のように(笑)
とは言え、元々は2号も経費とのバランスだったんです!納車一年経たずしてセレナのバックドア&バンパーをめりっとやらかしたのは2号嫁。
修理費約30万円の見積もりに諦めてテンション下がりまくりの嫁。
そこで2号が軽く提案。『今よりマシになればいい感じなら、凹みを直して塗装するくらいできそうだけど?』という軽いノリで話したところ実行することに。
その言葉の裏には『失敗しても怒られない。遊びで板金を試せて楽しそう』などという子供じみた考えしかない訳です(笑)。
素人がDIY板金してみたら① 叩き出し板金
当時の画像が少なくてあまり参考にならないかも知れませんが約8年前に素人板金を行った時の様子がこちらです。
補修前の写真が無いのが非常に残念なところですが・・・結構がっつりへ凹んでいたところからの復元は何気に気持ちの良いもの。
他にも塗装後の写真が無かったので、去年再塗装する前に写した塗装足付け時の写真を流用していますが、作業を行った当時の板金(塗装除く補修)としては自分でもほぼ気にならない程度に出来たと思っています。板金としては・・・。
作業は、単純に叩き出すという古典的な力業(笑)。
バックドアの内張を外して、外側は当て板をして手で抑えた状態でハンマーで外板を成形。時折、外板の状態を確認しながら内側からガンガンと力を込めて叩きまくって適当な状態でストップ。
ちなみに、塗装編で後述しまずが塗装はホビー用のエアーブラシでタッチペンの塗料を使って必要最小限のエリアを塗っただけ。クリアもホームセンターで購入の品。
叩き出せない場所のDIY板金
初めての板金から約7年、2021年の春。同じセレナを乗り続けていた2号は、新たな試練を迎える事になりました。
別の記事としても投稿しているのですが、狭い山道でバックの際にリアフェンダー後ろとバンパーを損傷です。正直、2号嫁がぶつけた前回の凹みよりも全然小さいのですが、心のダメージは大きかったと言わざるを得ません。
そして、この時は初めからDIYで補修するのが前提な自分いる事に驚きます(笑)
素人がDIY板金してみたら② 引き出し板金って?
流石に2号でも実際に補修に入る時には、凹みの大きさや技術的な難易度を考えます。
バックドアなら内張を外してたたき出すという選択があるものの、リアフェンダー後ろにおいては内装・外装共に分解して叩き出すという事は素人には難しいと即却下。
そこで選ばれたのは「引き出し板金」。何となくそんな板金の種類があったと記憶していた2号。改めてネットを検索してみるとスタッド溶接やデントリペア、スライドハンマーを使った方法など、幾通りかの作業方法が目に留まります。
しかし、特殊な工具など持っていない2号。実際に凹みを引っ張り出すとしても取れる選択肢は限られる訳です。この時、頭に浮かんだ対応可能な作業方法は2つだけ。
- 凹みにボルト等をアーク溶接して引っ張り出す方法
- 外装に穴をあけてフック等で引き出す方法
溶接機は実家にあるので対応も可能と考えましたが、準備と作業後の修正の手間を惜しんで選択肢の2番を決行することに採択されます。
スライドハンマーやデントリペアの代用としては、溶接の他に塗装面を削りハンダ(半田)を使って金具等を固定して引っ張るという方法も考えられると思います。
その場合、引き出した後で溶接部分を切り取り、さらに凹凸を削る作業が必要になるため横着な2号は外板に穴を開けるという力業で対応しました(笑)
素人がDIY板金してみたら③ 引き出し板金 代用工具での作業
ここから、引き出し板金・デントリペアの代替え作業になります。
たぶん、作業的には他人におすすめしちゃダメな方法なんだろうと思いますがご紹介(笑)。万が一、真似しようとする人は、完全に自己責任でお願いします。
特殊な工具は使わず自前のツールだけで、なるべく簡単に凹みを引き出す方法を検討してみた結果こんな形になりました・・・って事だと思ってください。
【使用する工具】 電動ドリル、ペンチ、六角レンチ
【作業方法】 凹みに穴を空けて、六角レンチを穴に刺しペンチで引き出す
以上(笑)。
ペンチと六角レンチは他の物でも代用可能と言えるでしょう。L字状で強度のある素材なら1㎜にも満たないボディーの外板くらいは引き出せるはず。実作業は・・よっこらしょ・・・って感じでこの通り。
はじめ、1か所だけ穴を空けて引き出してみたところ、やはり綺麗にはいかなかったため結果的に3か所に穴を空けて微調整しながら引き出しました。写真では判りにくいかも知れませんが、凹みに対しての処理はこれだけでもほぼ気にならない人もいるんじゃないかというくらいに復元されました。
本当に最小限の手間で仕上げるなら、後は穴を塞いでペーパー掛け実施後、スプレー缶塗装で仕上げるのもありかも知れません。予算で言うなら2(千)円以下に収まるレベルです。
この時の2号は、7年前の叩き出し板金時に使った残りのパテでボディとバンパーを調整し塗装の準備を進めます。
DIYで凹み補修中間報告
叩き出し、引き出し板金共に自己流の補修ではありますが、実践してみた現在の感想としては『ワンボックスカーのバックドアなら、DIYで板金って思っているほど難しくない』というところ。
もっとも、普段DIYの類を全くしない人にとっては慣れや工具の準備と扱いなど一定のハードルがあるのは事実です。
そして、重要なのは、やはり損傷の程度と見極めかなと思います。あまりに深い凹みや面積の広い凹みは素人レベルでどうにかなるとは思えません。
手を出す事で状況が悪化なんてことになったら笑えません。当然、場所にもよると思いますが・・・その見極めは自己責任で行う以外は無いのです。
次回、仕上がりの完成度に直結する塗装工程。
いやほんと・・・プロは凄いなって実感することになる訳です。