どどめと桑原

『どどめ色』って知ってますか?雷におびえた人が口にする『くわばらくわばら』という言葉をご存じですか?

どちらも植物の桑に由来する言葉です。

2号の中では『桑の実=どどめ』ですが、英語ではマルベリーと呼ぶらしいというのを最近知りました。

飲食業勤めの頃、はじめてブラックベリーを見た2号は『どどめじゃん』って思っていましたが、やっぱりベリーなんですね(笑)。

すっかり桑畑なんて無くなってしまった実家周辺ですが、今でもちらほらと名残を目にする事もあって、時々思い出したりします。

でも、桑の実を『どどめ』って呼ぶのは群馬・埼玉北部がメインで方言って知った時にはビックリでしたけど。

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雷には桑原桑原

今は何も育てられていないこの場所も元は一面の桑畑でした(2022春の様子)

雷を避ける時に唱える『くわばらくわばら』には、起源は諸説あるようですが、その中でも有名なのが菅原道真に関する伝説。

菅原道真の領地である桑原には雷が落ちることがなかったからという内容です。

死後に雷神(?)になって雷を落としていたといわれる菅原道真ですが、それでも自分の旧領には落とさなかったという事に由来しているお話のようです。

2号が小さなころ『桑の木は背が低いから雷が落ちないんだよ』って言われた事がありました。それを言ったのが、じーじか大ばあばか定かでない位昔の記憶です。

ちなみに、実際には桑の木も5m以上にも成長するようで、こちらも昔の記憶ですがじーじとばあばの養豚場に大きな桑の木があって、見るたびに不思議に思ったものでした。

畑の桑は常にお蚕様の餌として枝を切られていたから、それ以上に大きくならなかったんでしょうね。

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桑の実とドドメ色

未熟なうちの桑の実は、綺麗な赤い色をしていますが、熟すと独特の濃い紫色。そして、その実の色を『どどめ色』と呼んでいます。

近所に桑畑が多かった2号は、よく桑の木の枝を振り回していた記憶があります。

お蚕様の餌として葉を収穫する際、枝ごと適度な長さに切って運ぶので、桑畑には枝がよく落ちていました。それこそ、子供が振り回すのに丁度よいサイズで(笑)。

5月下旬頃に実が熟すと枝を振り回して遊びながら『どどめ』を摘まんで食べるなど本当に身近な植物だったと思います。

食べた後に濃い紫に染まった舌を出して見せるのも子供ならではのお約束。

男の子なら桑畑で枝を振り回して、桑の実で服を汚して母親に怒られた経験のある人も多いのではないでしょうか(笑)。

ネットで調べると桑の実を使って染色している方も結構多くて、仕上がりを見るとどれも綺麗な色合いで驚きます。

次に桑の実が熟す季節になったら染色に挑戦してみるのも良いかもしれません。

ただ、2号の実家周辺では昔桑畑であった場所も、今では殆どが転作されて他の畑になったり、住宅になったりと染められるだけの実を集めるのに苦労するかなと思いますが。もし実施したらUPしたいですね。

じーじとばあばの自宅周辺も少しづつ姿を変えて、昔は日常だった部分だってこれからも変化を続けるのだと思います。

それでも、荷台いっぱいに桑の葉を乗せて、ドッドッドッ・・と音をさせながらゆっくり通り過ぎる耕運機も2号にとっての原風景に違いありません。

おしまい