ブルーバックレインボー

こんには『2月後半病』『ブルーバックレインボー』という謎の言葉を思い出している2号です。

聞いたことも無い病名と思われるかも知れませんが、実は気付かないだけできっと皆さんの職場やご近所にも潜んでいます。そして、その病について知見のある人・自覚症状のある人達の中では、不治の難病であるとも考えられています。もし、2号が医師免許を有していたなら学会で発表する事も考えたかも知れません。

知らない方の為に症状・見分け方について少し触れさせて頂きます。その症状には以下のような特徴がみられます。

  • 2月後半(特に25日以降)になるとほぼ上の空
  • 話し相手もいないのに突然微笑む
  • 一ヶ月予報・週間天気予報をちょいちょい見る
  • 3月の休日予定を聞いても約束は断固拒否される
  • 利き腕を振るジェスチャーが多くなる

皆さんの周りには、2月になるとこんな症状がみられる知り合いはいませんか?

もし思い当たる人は諦めてください。その人は『2月後半病』に掛かった釣り人です。特に2月の最終週に入ると脳内の90%以上の思考は渓流釣り解禁の事で埋め尽くされています。そう、日本の多くの河川は3月に渓流釣りが解禁される為、釣り人の頭はヤマメとイワナの事ばかりになってしまう訳です(笑)。

2月に入ったら漁協が年券を販売するのを首を長くして待ち、年券が届いてからはその年最初の一振りをどのポイントで行うか思考する事に全精力を傾ける訳です。ただ、2号にはもう一つ末期症状ともいえる『2月後半病』の顕著な行動特性があります。全ての釣り人を敵に回すかも知れない恐ろしい行為なのですが・・・それは、解禁日の雨天を祈る事(笑)。

普段が割と激務の2号。更に、企業でいえば3月は期末の忙しい時期でもあるのです。その為、解禁日に合わせて有給を取るなど以ての外。それどころか、ほとんどの場合で土曜日も出勤している始末。

2号は解禁日に渓流にいた事がありません・・・2号個人の解禁日は、どれほど早くとも3月の第一日曜日と定められてしまったのです。正直、解禁日に渓流に入れる人が羨ましくて羨ましくて仕方ありませせん!!!

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ブルーバックレインボー

そんな満たされる事のない思いを抱える『2月後半病』の2号。
そして、謎の投稿タイトル『ブルーバックレインボー』。この二つの共通点は、完全に2号の思い出と心情に他なりません。

解禁日が近づくたびに思い出すことがあります。

それがブルーバックレインボーと言われる虹鱒とその生息地である野反湖。ブルーバックレインボーをご存じの方には蛇足となりますが、通常の虹鱒よりも青味と翡翠のような透き通った緑が印象的な美しい魚。品種改良などではなく、環境によってそのような発色をするニジマスがいます。

あ、先に言うなら2号はブルーバックレインボーを釣った事なんてありません

それどころか野反湖には何度も足を運んでいながら、釣りの経験はたった一度、且つ釣果ゼロ。正真正銘、自慢できる思い出は皆無です(笑)。

しかし、ただ一度の野尻湖釣行は、それほど思い出深い物であったのも事実。前日の夜仕事を終え、そのまま群馬県中之条町にある野反湖に一人車を走らせ、到着後は湖畔で車中泊。翌日、野反湖に入りルアー釣りでブルーバックレインボーを狙った時の記憶。

当時の2号は、渓流釣りでヤマメやイワナを釣った事はあったものの、湖で虹鱒なんて中禅寺湖か芦ノ湖程度の知識しかありません。そもそも、初めて野反湖を訪れたのは、当時繰り返していた悪友との長距離ドライブの帰り。立ち寄った野反湖の景観に圧倒されながら、湖畔の案内版を見るとニジマスが釣れると記載されていたことから興味を持った訳です。

それから数カ月が経ったある日、とうとう野反湖の釣行を決断。

当時の2号は『釣りに行きたい』という気持ちが周期的に巡ってくる感じ。切欠は思い出せませんが、その日は出勤前から仕事を終えたら野反湖へGOと固く決めていた事を鮮明に覚えています。

そう思ってしまった以上、仕事で接客している時も調理をしている時も常に・・・ウェーダーを履き野反湖でロッドを振っている自分を想像してドキドキ。車載されているタックルで野反湖の虹鱒は釣れるのだろうか?と疑心暗鬼になってみたりと、妄想&不安でいっぱいな訳です。

そもそも、ルアー釣りでは野池やダム湖でのブラックバス中心の経験しかなかった為、シングルハンドのスピニングとベイトのみのタックル。トラウトに有効なルアー自体も心もとない・・・でも行かずにはいられない。そんな事が朝から晩まで頭の中で渦巻いていました。

今なら、時間を掛け準備しながらタックルを見直して、釣行の計画を立てるべきと考えますがハタチの2号にはそんな我慢など出来るはずもありません(笑)。

閉店処理を終えた23時に野反湖へ向けて出発。2時間掛けて深夜のドライブをしている間も、高原のダム湖の事で頭は埋め尽くされていました。

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野反湖&ブルーバックレインボーに大失恋

2号がたった一度、野反湖で釣りをしたハタチの頃。

まだ見ぬブルーバックレインボーに想像だけで悩殺され、自身の分をわきまえずアタックするために深夜の山道を一人車走らせる。この時の事を20年以上経った今も解禁日が近づく度に思い出してしまうのです。良く言われる話ですが本当に恋愛の思い出のようで恥ずかしくなります(笑)

それにも関わらず、思いは成就する事無く結果は大失恋です。実際に野反湖でロッドを振ったのはほんの2時間程度。わずかなアタリすら感じる事が出来ないまま、短時間で納竿せざるを得なかった2号。背景にはある事情がありました。

仮眠から目が覚めた時、計画性の無い自分をめっちゃ呪う事になりました。それは、あれだけ悩んだタックル以前の問題であり、改善する術もない残念な問題。若かりし2号は、野反湖の標高を全く計算に入れない軽装で釣りに来ていたんです・・・。仮眠を終え期待を胸に車のドアを開けて外の空気を吸った瞬間、いえ・・・ドアを開けた瞬間気付いてしまったんです。

吐いた息が白いって事に。

一応の弁解をすると、当日は9月の第一月曜日。真夏には常に30度越えの埼玉県北部に生息する2号は、9月の初旬など8月と変わらない服装で過ごすのが当たり前。いくら高原とはいえ自分の息が深まった秋の日のごとく、白く吐かれるなんて夢にも思いません。

しかし現実は甘くありません。標高1500mである高原の夏は一瞬で過ぎ、早すぎる秋の訪れを迎えていたのでした。準備万端であったなら、逆に恰好のコンディションであったかも知れませんが、トラウトには優しい気候も、人間である2号にはめちゃめちゃ厳しかった訳です。

とはいえ、その程度の事で諦める訳もなく、颯爽とウェーダーに足を通してなだらかな斜面をてくてくと歩き夢にまで見た野反湖での実釣。しかし、その夢のような時間は、ほんの一瞬。片道の運転時間より短い約2時間という超短期で終焉をみました。

だって・・・寒すぎて体がいう事を聞いてくれないんですもん(笑)

車に戻って暖を取ろうと湖から上がってからは、完全に敗戦処理モードで外の景観を眺めながら今後の事を考えていました。で、そこからの行動がやはり釣り人な2号。折角、普段の行動エリア外に来ているのだからと地図を広げ、別の釣り場を探し始めちゃうんですよ。

決定したのは、千曲川上流部。狙いはヤマメ、釣法はミャク釣り(笑)。野反湖とそこに生息するであろうブルーバックレインボーに後ろ髪をひかれながらも、一気に気持ちを切り替えて久々の千曲川と禁漁間近でやる気の無くなっているであろうヤマメさんに鞍替えです。

詳しく覚えてはいませんが、移動しながら途中で餌となるイクラを調達、目的地について釣りが出来たのは1~2時間くらいだったのかなと思います。それでも、数匹のヤマメさんとお会いする事が出来て何とか気持ちを持ち直して帰路に着いた。そんな一日でした。

まぁ特別な事があった訳でもなく、ほろ苦いだけの思い出。

しかし、その時の行動と渓流解禁時の自分の行動は今も変化ナシ(笑)。
ある年の解禁日直前にふと思い出し「変わってないなぁ」としみじみ。以来頭から離れなくなってしまった訳です。

釣りに興味なく、経験のない人には理解不能以外の言葉は浮かばないかもしれません。ですが・・・きっと2月後半病の人に限っては、自分自身のほろ苦い思い出が呼び覚まされる事でしょう。

40代も残りわずか。

それを思えば2号にとっては、今一度ブルーバックレインボーにチャレンジする機会なのかもしれません。