コロナ騒ぎでぶーちゃんばあばも戦々恐々。
「コロナにかかったら野菜も全部出荷出来なくなる」と対策に抜かりが無い。
決して整理整頓が行き届いた環境で無い家でも、玄関先には除菌スプレーとおしぼりを用意して来客に消毒を促す程である。
2-1号が週末にばーばの家に行っても良いか?と電話すれば、やんわりとお断りを頂く位に警戒もしている。
とはいえ、GWに入る頃には「来たかったら来ないね(きたかったらきないね)」と優しい言葉を頂いたのでお邪魔させていただく事にした。まぁ、車移動で移動中に店に寄る事も無く、ばーばの家に行ってもほぼ敷地内のみで行動するので、自粛状態に変化はない。
変化と言えば、もれなく朝6時から労働がついてくる事くらいである。
それでも2-1号はお手伝いと母親からの自主学習タスクさえこなせばゲームも出来るし、騒ぎ放題&夜更かし出来ると大喜び。
2号としてもDIYで進めている離れの改修が止まっていたので、お言葉に甘えてお邪魔する事にした(宜しければ、改修の様子も是非見て下さい)。
ぶーちゃんばあばは、昔からあまり手の込んだ料理は作らない。
それでも、取り立ての野菜や飼育していた豚の肉は、産直ならではの美味しさがあり、実家の食事が嫌だったという記憶は然程ない。
だが、時々意外な変化球が普通に出て来る為、気も抜けない。
焼きそばやコーンスープは、普通に主菜としても出て来るし、冷蔵庫の食材は賞味期限1年過ぎなんてザラである。ペットボトルに入ったコーラを飲んだら、実は焼き豚のタレだった経験すらある。
お昼ご飯だと呼ばれて、2-1号と食卓に向かうとどんぶりに入ったラーメンが一つ用意されていた。
2号:んーと。これ食べていいの?
ばあば:そうだよ。まだ、のびて無いと思うから早く食いないね。
2号:これ・・どんな作り方してんのさ。
ばあば:普通に作ったんだよ?鍋で麺を煮て、味がしみこむように茹で上がる前にスープを入れて・・・
そこにあったのは、ラーメン用のどんぶりに盛られ、申し訳程度にスープは見えるものの、ほぼ汁を吸いこんでうっすら茶色くなっている麺類だった。文字通り野菜は売るほどあるのに、当然のように具材などというトッピングは無く、袋に入っていた素材と水のみで作ったこの上なく野性的なインスタントラーメンだ。
具が無い事に文句は無い。
極端にスープが少ないのも我慢できる。
スープを吸って麺がうっすら茶色である事すら受容したい。
だがしかし・・・である。
これがインスタントラーメンの正しい姿であるというばあばの認識だけは受け入れるこが出来なかった(笑)。
2号:ばーさん!それ、作り方間違ってるから!
ばあば:そうなん?だって、普通に作ったんだよ?
2号:このラーメン、何十年も前からあるよね?昔はこんな風に作ってた記憶はないんだけど。
ばあば:そうかいね?でも、汁にはスープが染みてた方が美味しいかと思って。
2号:袋に書いてある通りに作った方がうまいから!
2-1号のラーメンを作り始めたばあばに、口頭でインスタントラーメンの作り方を教えながら、目の前のラーメンを食べると・・・やはり塩味強すぎのおかずになる味だった。
何気に素直な性格のばあばは、塩辛いラーメンを食べる息子の後ろで何かブツブツ言いながら次の一杯を作っている。「えーと、のびないように茹でて。スープはどんぶりに入れるのね・・」と。
なんとか、普通の”具の無い”インスタントラーメンを我が子に食べさせてやることが出来そうだと、空になったどんぶりを持って流しに移動しようと立ち上がる。
同じタイミングで2-1号用のラーメンも出来たらしく、ばあばがどんぶりに茹で上がった麺を移し始めた・・・が、どんぶりの中のスープは透き通ったままである。一瞬、塩ラーメンか?と思ったが先ほど手にしていた袋は確実に2号が食べたのと同じ味噌だった。
2号:え?ばーさん。スープは?
ばあば:いれるよ。だって、鍋に入れちゃ駄目なんだんべ?
そう言いながら、茹で上がりどんぶりに移されたラーメンに上から粉末スープを振り掛けている姿は、とても半世紀もの間、主婦を経験しているようには思えず、大爆笑である。