5月の家庭菜園『今から種まき可能な野菜はなに?』

新緑が目に鮮やかな5月は、まさに家庭菜園のハイシーズン!
日差しも暖かくなり、様々な野菜がグングン育つ絶好の季節です。
この時期に種まきや定植を行うことで、夏から秋にかけて、採れたての新鮮な野菜をたっぷりと味わうことができます。エダマメやサヤインゲンといった豆類から、お子様にも人気のスイートコーン、そして食卓の定番であるナスやトマトまで、バラエティ豊かな野菜たちがあなたの庭やベランダを彩ってくれるでしょう。
土に触れ、植物の成長を見守る時間は、きっと日々の暮らしに豊かな彩りを与えてくれますよ。今回の記事では、5月に家庭菜園で植えたいおすすめ野菜と、それぞれの栽培における大切なポイントを、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。さあ、一緒に実りの季節に向けて準備を始めましょう!
5月に種蒔き・植え付けを行う野菜一覧
種蒔き時期・植え付け時期の一覧は、関東周辺の一般的な平地を基準に表示していますので、お住まいの地域や環境(標高や日照時間等)の地域の気候差を加味してお考え下さい。
種まき野菜
- エダマメ/収穫までの期間:約10~12週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
播種時期は品種により5月いっぱい可能です。土壌pHは6~7が最適で、完熟堆肥を積極的に投入しましょう。チッソ肥料の与えすぎは「蔓化(つるぼけ)」の原因となるため注意が必要です。播種時から発芽初期はタネバエの被害があるので、完熟有機物を使うか、防虫ネットで保護しましょう。 - サヤインゲン/収穫までの期間:約8~9週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
晩霜の心配がなくなる4月下旬~5月上旬が播種適期です。開花後、莢(さや)が肥大する時期に肥料が切れると着莢が悪くなるため、開花始めに追肥を行いましょう。倒伏防止のため、地上部が50cm程度になったら支柱を立てて誘引するのがおすすめです。 - ホウレンソウ/収穫までの期間:約6~7週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
ハクサイやキャベツなど、アブラナ科野菜との連作は避けましょう。発芽を揃えるために、播種後は軽く鎮圧し、タネが流れないよう丁寧に水やりをします。本葉3枚頃までに生育の良い株を1本立ちに間引きますが、追肥は基本的に不要です。 - カブ/収穫までの期間:約6~7週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
播種後、本葉1~2枚時と3~4枚時の2回に分けて間引きを行い、最終的に株間5~7cmにしましょう。間引きが遅れると根部の肥大が悪くなるため、早めに作業を進めましょう。収穫が遅れると「ス入り」や「割れ」が多くなるので注意が必要です。 - コマツナ/収穫までの期間:約4~7週間/栽培難易度 ★☆☆☆☆
生育が早く、追肥は基本的に不要です。間引きは数回に分け、最終的に本葉4枚までに株間5cm程度になるようにします。最後の間引き時に条間を軽く耕し、株元に土寄せすることで生育を促せます。アオムシなどの害虫防除に防虫ネットの利用が効果的です。 - スイートコーン/収穫までの期間:約11~15週間/栽培難易度 ★★★☆☆
低温期の作型では5月上旬~中旬が播種適期です。本葉3~4枚の頃に植え付けましょう。最初に伸びる親づるを育て、株元から5節までに発生したわき芽や雌花は早めに取り除きます。受粉後20~25日くらいが収穫適期で、粒の色や大きさを確認して収穫しましょう。 - ダイコン/収穫までの期間:約8~9週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
土づくりと深耕が非常に重要です。発芽後に直根が土塊や肥料に当たると又根になることがあるので注意しましょう。本葉2~3枚時に2~3本立て、6~7枚時に最終的に1本立ちに間引きます。間引き作業と同時に、風による首振り防止のため株元に土を寄せましょう。
定植する野菜
- ジャガイモ/収穫までの期間:約12~14週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
晩霜の心配がなくなってから植え付けましょう。そうか病の発生原因となるため、堆肥は植え付け直前ではなく、前作に投入するのが理想です。マルチ栽培の場合は、マルチの下から芽が出たら速やかにマルチを切り開いて芽を出してあげましょう。 - ナス/収穫までの期間:約8週間~(連続収穫)/栽培難易度 ★★★☆☆
連作を嫌うため、ナス科野菜を3~4年間隔で栽培していない畑を選びましょう。苗の根付きを良くするため、事前にマルチを張って地温を上げておくことがポイントです。最初に咲く一番花のすぐ下のわき芽2本を伸ばし、主枝と合わせて3本仕立てにすることで、収量を安定させられます。 - トマト/収穫までの期間:約8週間~(連続収穫)/栽培難易度 ★★★☆☆
最初の花が咲いた頃が植え付けの適期です。連作障害に注意し、ナス科野菜の連作は避けましょう。夏の高温対策には、地温抑制効果のある白マルチの使用が有効です。最初に咲く花を通路側に向けるように植え付けると、その後の収穫作業がしやすくなります。 - キュウリ/収穫までの期間:約8週間~(連続収穫)/栽培難易度 ★★★★☆
定植後、開花から約7日ほどで収穫が始まります。果実は18cm以上になったら収穫し、株に負担がかかり連続して実が成らなくなるのを防ぐため、大きくなりすぎないうちに若採りすることを心がけましょう。最盛期には朝と夕方に収穫できます。 - ピーマン/収穫までの期間:連続収穫/栽培難易度 ★★★☆☆
連作を嫌うため、同じナス科のトマトやナスなどとの連作は3~4年間隔をあけましょう。枝が弱く、風で折れたり倒れたりしやすいので、必ず支柱でしっかり固定してください。果実を連続して収穫するためには、肥料切れを起こさないよう追肥と水やりを欠かさないことが重要です。 - カボチャ/収穫までの期間:約14~20週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
肥料過多になると「つるボケ」を起こし、実がつきにくくなることがあります。本葉3~4枚の頃に植え付け、親づるを5~6枚目で摘芯し、勢いの良い子づるを数本伸ばしましょう。着果後、果実の下の部分にも光が当たるよう、10日間隔で玉直しをすると、全体がきれいに着色します。 - サツマイモ/収穫までの期間:約16~24週間/栽培難易度 ★☆☆☆☆
窒素肥料を控えめにするのが基本です。窒素分が多いと「つるぼけ」を起こし、収量が低下します。苗の切り口に近い2~3節からイモがつきやすいので、その部分を土中にしっかり埋め込むように植え付けましょう。マルチを利用すると、イモの肥大や食味向上が期待できます。 - アスパラガス/収穫までの期間:根株養成(翌年以降に収穫)/栽培難易度 ★★★★★
遅霜の心配がなくなる5月上旬~下旬の温暖な日に定植しましょう。畝は高く(20~30cm以上)し、黒マルチを張ることで乾燥防止と雑草対策になります。定植時には、茎枯病予防のために薬剤で防除を行うと良いでしょう。定植1年目は収穫せず、株を養成します。 - サトイモ/収穫までの期間:約20~28週間/栽培難易度 ★★★★☆
晩霜のおそれがなくなったら、できるだけ早く植え付け、出芽を早めると収量が増えます。種いもは頂芽以外の芽を取り除くことで、養分を集中させられます。サトイモは酸性土壌でも育ちますが、カルシウムやマグネシウム欠乏を起こしやすいので、苦土石灰などを散布して土壌を改良しましょう。 - リーフレタス/収穫までの期間:約6~10週間~(連続収穫)/栽培難易度 ★☆☆☆☆
レタスは根が浅く環境変化に敏感なため、マルチ栽培がおすすめです。過湿を嫌うため、畑の水はけを良くすることが重要です。春まき栽培では地温を上げるために透明マルチや黒マルチを使用しましょう。適度な大きさになったら、外葉から少しずつかき取って収穫すると、長く楽しめます。 - ブロッコリー/収穫までの期間:約8~12週間/栽培難易度 ★★★☆☆
冷涼地では5月に定植し、初夏どりを目指すことができます。生育適温は15~20℃です。育苗中に害虫を防ぐため、苗床やトレイの上に播種直後から防虫ネットや寒冷紗をかけて管理すると良いでしょう。適度な灌水と通風を心がけ、病害の発生を抑えます。 - カリフラワー/収穫までの期間:約8~12週間/栽培難易度 ★★★☆☆
冷涼地では5月に定植し、初夏どりを目指すことができます。乾燥には強いですが、過湿には弱いので、排水の良い畑を選びましょう。排水の悪い畑では、畝を少し高めにすると良いでしょう。本葉5枚目頃が植え付け適期で、根鉢を崩さないよう注意して植え付けます。
5月の野菜栽培Point
5月は気候が安定し、まさに家庭菜園に最適な季節です。多くの野菜が活発に生育を始めるため、この時期にしっかりと土づくりや栽培管理を行うことが、今後の収穫量を大きく左右します。特に、連作障害に注意が必要な野菜や、適切な間引き、追肥が欠かせない野菜など、それぞれの特性を理解して栽培を進めることが成功の鍵となります。
ゴールデンウィークもあり、家庭菜園を始めるには絶好のタイミングです。気温も上がり、多くの野菜の成長が加速する時期なので、水やりや追肥、病害虫のチェックはこまめに行いましょう。
また、5月は昼夜の寒暖差がある日もまだまだあります。霜の心配が完全に無くなったことを確認してから定植を行う、あるいは必要に応じて不織布などで夜間の保温対策を行うなど、地域や天候に合わせた柔軟な対応も大切です。そして、収穫適期を逃さずに、適切なタイミングで収穫することで、株への負担を減らし、次の収穫へと繋げることができます。5月の恵みを最大限に引き出し、美味しい自家製野菜をたくさん収穫してくださいね!