家庭菜園の基本から応用まで!野菜づくりに役立つ用語集めました

家庭菜園初心者さんからベテランさんまで、みんなの「困った!」を「なるほど!」に変える用語集!

家庭菜園で気になる、土づくり、施肥(ひりょうやり)、病害虫対策から野菜ごとの栽培ポイントに関わる専門用語を、親しみやすく分かりやすく解説します。

あなたの野菜づくりのミニガイドとして、ぜひご活用ください。

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家庭菜園 用語集

本用語集は、家庭菜園における基本的な概念、作業、資材、現象などを網羅し、五十音順に整理して解説します。以下のリンクをクリックして解説をご覧ください。

【あ行】 【か行】 【さ行】
【た行】 【な行】 【は行】
【ま行】 【や行】 【ら行】

【あ行】

アオムシ (あおむし)
モンシロチョウなどのチョウ目の幼虫の総称。主にアブラナ科の植物の葉を食害し、食痕を残す。大量発生すると植物の成長を著しく阻害する。
アク (あく)
植物体に含まれる、苦味やえぐみなどの不快な味や匂いの成分。シュウ酸などが代表的。調理前にアク抜きを行うことで、食味を向上させることができる。
アブラムシ (あぶらむし)
体長数ミリ程度の微小な昆虫で、植物の新芽、葉の裏、茎などに群生し、植物の汁を吸う。これにより、生育不良、葉の巻縮、奇形などを引き起こすほか、ウイルス病を媒介することもある。繁殖力が非常に高い。
アザミウマ (あざみうま)
体長1~2mm程度の細長い体を持つ微小な害虫。植物の葉、茎、花、果実の表面を吸汁し、白っぽいかすり状の傷や奇形、変色を引き起こす。スリップスとも呼ばれる。
育苗箱 (いくびょうばこ)
育苗時に使用する、深さ数cm程度の浅い箱。複数のセルが分かれているタイプ(セルトレイ)と、全体が一体になったタイプがある。
育苗ポット (いくびょうぽっと)
育苗時に使用する、個々の苗を育てるための小型の容器。土の量が限定されるため、適度な成長段階で畑への移植が必要となる。
移植栽培 (いしょくさいばい)
種子を直接畑にまく「直播き」に対し、育苗箱やポットなどの限られたスペースで植物の苗を育て、ある程度の大きさに育ってから本来の畑に植え替える栽培方法。発芽管理が容易で、生育の均一化や作付期間の調整に有効。
一条植え (いちじょううえ)
畝(うね)に対して、植物を1列に植え付ける方法。日当たりや風通しを確保しやすく、管理作業が行いやすい。
植え付け (うえつけ)
育った苗を畑や容器に定植する作業。根を傷つけないよう注意し、適切な深さと間隔で行う。
畝 (うね)
畑において、作物を栽培するために土を盛り上げて作った部分。排水性や地温の確保、作業性の向上を目的とする。
畝立て (うねたて)
畑の土を盛り上げて畝を形成する作業。作物の種類や栽培方法に応じて、畝の高さや幅を調整する。
畝間施用 (うねませんよう)
野菜が植え付けられている畝(うね)と畝の間の通路部分に肥料をまく追肥方法。肥料が直接根に触れることによる肥焼けを防ぎつつ、土壌への浸透を促す。
うどんこ病 (うどんこびょう)
カビの一種によって引き起こされる植物の病気。葉の表面に白い粉をまぶしたようなカビの膜が形成され、光合成能力を低下させ、植物の生育を阻害する。空気中の胞子によって広がりやすい。
液肥 (えきひ)
水に溶かして使用する液体状の肥料。水に完全に溶けるため、植物に素早く吸収されやすく、即効性がある。水やりと同時に施肥することが可能で、追肥として頻繁に利用される。
EC (電気伝導率) (いーしー/でんきでんどうりつ)
土壌溶液中に溶けているイオン(肥料成分など)の総量を示す指標。肥料濃度が高いほどEC値は高くなる。作物ごとに最適なEC値が異なり、過剰なEC値は濃度障害の原因となる。単位はmS/cm (ミリジーメンス毎センチメートル) が一般的。
枝豆 (えだまめ)
未熟な大豆のさやごと収穫する豆類。ビールのおつまみなどで人気が高い。
疫病 (えきびょう)
卵菌類(カビに似た微生物)によって引き起こされる植物の病気。葉に水浸状の斑点が現れ、急速に拡大して腐敗・枯死させることがある。高温多湿の環境で発生しやすく、土壌中の病原菌が原因となる場合も多い。
栄養生長過多 (えいようせいちょうかた)
植物が、本来重視すべき生殖生長(開花、結実)よりも、葉や茎、つるなどの栄養器官の成長ばかりが旺盛になる状態。窒素肥料の過剰施用や日照不足などが原因で起こりやすく、結実不良や収量減につながることがある。
有機物 (ゆうきぶつ)
動植物の体やその排泄物など、炭素を主要な構成要素とする物質。土壌に投入することで、微生物の餌となり、土壌の団粒構造形成を促進し、保水性、通気性、排水性、肥沃度を高めるなど、土壌の健全性を維持・向上させる上で非常に重要な役割を果たす。
有機質肥料 (ゆうきしつひりょう)
油粕、骨粉、魚粕、米ぬか、堆肥など、動植物由来の有機物を原料とした肥料。土壌中の微生物によって分解されることで、植物にゆっくりと栄養を供給する「緩効性」が特徴。土壌の物理性や生物性の改善にも効果がある。
誘引 (ゆういん)
植物の茎やつるを支柱やネット、ひもなどに沿わせて固定する作業。これにより、植物の倒伏を防ぎ、日当たりや風通しを良くして病害虫の発生を抑制し、果実の品質向上や収穫作業の効率化を図る。
育苗 (いくびょう)
種子をまいて発芽させ、畑に定植できるような本葉が数枚出た状態の苗にまで育てること。安定した環境で管理できるため、発芽率の向上や生育の均一化に寄与する。

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【か行】

貝化石 (かいかせき)
古代の貝殻が堆積し、化石化したものを粉砕した資材。主成分である炭酸カルシウムが、酸性に傾いた土壌のpH(酸度)を中和・調整する効果を持つ。また、植物に必要なカルシウムを供給する石灰肥料としても利用される。
害虫 (がいちゅう)
植物に被害を与える昆虫や動物の総称。食害、吸汁、ウイルス媒介など様々な形で被害をもたらす。
加温 (かおん)
温室やトンネルなどで温度を上昇させ、作物の生育を促進したり、冬季の栽培を可能にしたりすること。暖房機や温湯、電熱線などを用いる。
化成肥料 (かせいひりょう)
窒素、リン酸、カリウムのうち2種類以上の肥料成分を化学的に結合または配合した肥料。速効性があり、成分の配合割合が調整されているため、汎用性が高い。
株間 (かぶま)
畑や畝に植えられた植物の株と株との間隔。適切な株間を確保することで、植物への光、空気、養分の供給が均等になり、健全な生育を促す。
株元施用 (かぶもとせよう)
植物の株の根元付近に直接肥料を与える追肥方法。肥料が根に速やかに届きやすい利点があるが、肥料の種類や量によっては濃度障害(肥焼け)を起こすリスクもあるため注意が必要。
完熟堆肥 (かんじゅくたいひ)
稲わら、落ち葉、家畜ふんなどの有機物が微生物によって完全に分解・発酵し、元の形が判別できない状態になった堆肥。植物への害がなく、土壌改良効果が高い。
灌水 (かんすい)
植物の生育に必要な水分を供給するため、意図的に土壌に水を撒くこと。一般的には「水やり」と同意。作物の種類、生育段階、土壌の状態、天候に応じて適切な量とタイミングで行う必要がある。
間接的結球型野菜 (かんせつてきけっきゅうがたやさい)
ハクサイ、レタス、キャベツなど、外葉が成長した後に内側の葉が巻き込み、球状になる野菜。最初の生育期に十分な養分を確保する「基肥重点」の栽培が適している。
寒冷紗 (かんれいしゃ)
ポリエチレンなどの素材で作られた、光を遮ったり、防虫、防風、防霜、遮光などの目的で植物や畝を覆うために使用されるネット状の資材。目合い(網目の粗さ)や色によって用途が異なる。
基肥 (きひ)
作物を植え付ける前、または種をまく前に、あらかじめ土壌全体に施す肥料。植物の初期生育に必要な養分を供給し、生育期間を通じて効果が持続するように設計されることが多い。
吸肥力 (きゅうひりょく)
植物が土壌中の養分を吸収する能力。作物や品種、生育段階、土壌環境によって異なる。
吸収率 (きゅうしゅうりつ)
施された肥料が、植物によって実際に吸収され利用される割合。土壌の状態や施肥方法、植物の種類によって変動する。
休眠 (きゅうみん)
植物が生育に不適な時期(低温、乾燥など)に、一時的に生理活動を停止し、成長を抑制する状態。種子や芽、球根などに多く見られる。
境界線 (きょうかいせん)
畑や栽培区画の区切り。病害虫の拡散防止や、輪作計画の管理において重要となる。
菌核病 (きんかくびょう)
菌核病菌によって引き起こされる植物の病気。茎や葉に水浸状の病斑ができ、白いカビが生えて硬い菌核を形成する。特に多湿な条件で発生しやすい。
黄色粘着テープ (きいろねんちゃくてーぷ)
アブラムシやオンシツコナジラミなど、黄色に誘引される性質を持つ特定の害虫を捕獲するために設置する粘着性のテープ。物理的防除の一種であり、薬剤を使用せずに害虫を抑制する手段となる。
草木灰 (そうもくばい)
植物を燃焼させた後に残る灰。カリウムやリン酸、カルシウムなどを豊富に含み、土壌のpHをアルカリ側に傾ける効果がある。主にカリウム肥料として利用される。
くん炭 (くんたん)
もみ殻などの植物質原料を不完全燃焼(蒸し焼き)させて炭化させた資材。土壌に混ぜることで、多孔質な構造が土壌の通気性や排水性を改善し、有用微生物の住処となり土壌環境を良好に保つ効果がある。土壌のpH調整にも寄与する。
好光性種子 (こうこうせいしゅし)
発芽するために光を必要とする性質を持つ種子。このような種子をまく際には、覆土を非常に薄くするか、あるいは覆土をせずに土の表面に露出させる必要がある。例としては、レタス、パセリ、ペチュニアなどがある。
コナガ (こなな)
アブラナ科の野菜(キャベツ、ハクサイ、ダイコンなど)を食害する小型のガの幼虫。葉に小さな穴を開けたり、葉の裏から表皮を残して食い荒らす特徴がある。
コンパニオンプランツ
特定の植物同士を近くに植えることで、互いの成長を促進したり、病害虫を遠ざけたり、土壌の状態を改善したりするなどの良い影響をもたらす植物の組み合わせ。共栄作物とも呼ばれる。例:トマトとバジル、ナスとネギ。

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【さ行】

菜園 (さいえん)
野菜や果物、ハーブなどを栽培するために設けられた場所。家庭で行うものを家庭菜園と呼ぶ。
さび病 (さびびょう)
カビの一種によって引き起こされる植物の病気。葉や茎の表面に、サビのような赤褐色やオレンジ色の斑点(胞子の塊)が多数形成されることが特徴。光合成を阻害し、生育不良や早期落葉の原因となる。
酸度 (さんど)
土壌の酸性、中性、アルカリ性の度合いを示す指標で、pH(ピーエイチ)値で表される。pH7.0が中性で、それより低いと酸性、高いとアルカリ性となる。作物によって生育に適したpH範囲が異なるため、土壌診断を行い必要に応じて調整する。
残存養分量 (ざんぞんようぶんりょう)
土壌中に植物が利用可能な状態で残っている肥料成分の量。前作物の施肥量や種類、作物の吸肥量、土壌の性質などによって変動するため、土壌診断によって把握し、次作の施肥計画に反映させることが重要。
施肥 (せひ)
作物に肥料を与えること。基肥(元肥)や追肥など、目的や時期に応じた様々な方法がある。
GM (じーえむ)
遺伝子組み換え(Genetically Modified)の略。特定の遺伝子操作によって形質を改変された生物を指す。家庭菜園では、市販の種子や苗を選ぶ際に表示を確認することがある。
セル (せる)
育苗箱(セルトレイ)などで、個々の苗を育てるために区切られた小さな区画。根が絡みにくく、移植時に根を傷めにくい利点がある。
湿害 (しつがい)
土壌の水分が過剰になりすぎた状態(過湿)が続くことで、土壌中の酸素が不足し、植物の根が呼吸困難に陥り、生育が阻害されたり枯れたりする現象。特に排水性の悪い圃場で発生しやすい。
遮光 (しゃこう)
植物に当たる日差しを遮ること。夏場の高温や強い日差しから植物を保護したり、特定作物の生育を調整したりする目的で行われる。寒冷紗や遮光ネットなどが用いられる。
除草 (じょそう)
畑や栽培地から雑草を取り除く作業。雑草は作物と養分や光を奪い合うため、適切な除草は作物の健全な生育に不可欠。手作業、除草機、マルチングなど様々な方法がある。
直播き (じかまき)
育苗を行わず、畑に直接種子をまく栽培方法。手間が省けるが、発芽管理は畑の環境に依存する。ダイコンやニンジンなど、移植を嫌う根菜類に適する。
支柱立て (しちゅうたて)
生長とともに倒れやすくなる植物(トマト、キュウリ、ナスなど)を支えるために、棒や竹などを立てる作業。誘引と合わせて行われることが多い。
収穫 (しゅうかく)
栽培した作物を畑から採取する作業。作物の種類や目的によって、最適な収穫時期や方法が異なる。
収量 (しゅうりょう)
一定の面積(例:10㎡あたり)から得られる作物の量。栽培技術や環境条件によって変動する。
霜 (しも)
気温が0℃以下になり、空気中の水蒸気が植物の表面や地面で氷の結晶となって付着する現象。植物の細胞が破壊され、枯死に至ることがある。晩霜(おそじも)は春の作物の被害、早霜(はやじも)は秋の作物の被害をもたらす。
深耕 (しんこう)
土壌を深く(一般的には20cm以上)掘り起こして耕す作業。これにより、土壌の硬盤層を破砕し、根の伸長範囲を広げ、土壌の通気性や排水性を大幅に改善する効果がある。
シルバーマルチ (しるばーまるち)
表面が銀色に加工されたポリエチレン製のシート状資材。太陽光を反射することで地温の上昇を抑え、夏季の高温による根のダメージを軽減する。また、反射光がアブラムシなどの害虫の飛来を忌避する効果も期待できる。
水はけ (みずはけ)
土壌中の余分な水分が、土中や排水路を通じて速やかに排出される能力。土壌の「透水性」とほぼ同義。水はけが悪いと湿害が発生しやすくなる。
生ごみ発酵肥料 (なまごみはっこうひりょう)
家庭から出る生ゴミを微生物の力で発酵・分解させた肥料。資源の有効活用になり、土壌改良効果も期待できる。適切に発酵させることで、植物に害を与えることなく利用できる。
生理障害 (せいりしょうがい)
病原菌や害虫の寄生によるものではなく、土壌の養分バランスの不均衡、水分過不足、温度の急激な変化、日照不足、空気の欠乏などの非生物的要因によって、植物の生育に異常や品質低下が生じること。例:トマトの尻腐れ病(カルシウム欠乏)、ホウレンソウの葉縁枯れ(カリウム欠乏)。
節 (せつ)
植物の茎において、葉や枝、花などが付いている部分。節と節の間を「節間(せっかん)」と呼ぶ。
そうか病 (そうかびょう)
土壌中の放線菌によって引き起こされる病気。ジャガイモやダイコン、カブなどのイモや根の表面に、コルク状の粗いカサブタや亀裂のような病斑を形成する。土壌のpHが高い(アルカリ性)と発生しやすい傾向がある。
ソラマメ (そらまめ)
マメ科の野菜で、空に向かってさやが上向きに実ることから名付けられた。連作障害に注意が必要な作物の一つで、アブラムシの被害を受けやすい。

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【た行】

耐病性品種 (たいびょうせいひんしゅ)
特定の病気に対して抵抗力を持つように育種された品種。病害の発生を抑え、安定した収穫を目指すことができる。
耐暑性 (たいしょせい)
植物が高温環境に耐えることができる性質。耐暑性が高い作物は、真夏の栽培に適している。
耐寒性 (たいかんせい)
植物が低温環境に耐えることができる性質。耐寒性が高い作物は、冬場の栽培や越冬に適している。
多肥栽培 (たひさいばい)
作物の生育期間中に、標準的な量よりも多くの肥料を施す栽培方法。多収を目指す場合に用いられるが、過剰な施肥は濃度障害や環境負荷の原因となる場合がある。
堆肥 (たいひ)
稲わら、枯れ草、落ち葉、樹皮、家畜ふんなどの有機物を、微生物の働きによって完全に分解・発酵させたもの。土壌に混ぜ込むことで、肥料効果をもたらすと同時に、土壌の団粒構造化を促進し、保水性、排水性、通気性を改善し、地力(じりょく)を高める効果がある。
団粒構造 (だんりゅうこうぞう)
土壌中の砂、シルト、粘土といった微細な粒子が、有機物と微生物の作用により、小さな塊(団粒)を形成した構造。団粒構造の土壌は、団粒と団粒の間に適切な大きさの隙間(孔隙)ができ、空気(通気性)と水(保水性・排水性)のバランスが良好になるため、根の伸長や微生物活動にとって最適な環境となる。
地温 (ちおん)
土壌の温度。作物の根の活動や養分吸収、種子の発芽に大きな影響を与える。マルチングなどで調整することが多い。
窒素成分 (ちっそせいぶん)
植物の生育に不可欠な三大栄養素(窒素、リン酸、カリウム)の一つ。主に葉や茎の成長(栄養生長)を促進する働きがある。不足すると葉が黄色くなったり生育が停滞するが、過剰だと栄養生長過多や病害虫発生のリスクを高める。
追肥 (ついひ)
作物の生育途中に、足りなくなった養分を補給するために与える肥料。作物の生育ステージや土壌の状態に応じて、液肥や固形肥料など、様々な形態で施用される。
定植 (ていしょく)
育苗した苗を、最終的に生育させる畑やプランターなどに植え付けること。適切な時期と方法で行うことで、苗の活着率が高まる。
低温処理 (ていおんしょり)
種子や苗を一定期間低温に晒すこと。発芽や開花を促進したり、休眠を打破したりする目的で行われる。
摘果 (てきか)
樹や株に実った果実の数を制限するために、未熟な果実を摘み取る作業。残した果実に養分を集中させることで、一個あたりの果実のサイズを大きくし、品質(糖度や食味)を向上させる目的で行われる。
摘心 (てきしん)
植物の主茎や側枝の先端(生長点)を摘み取る作業。これにより、頂芽優勢(ちょうがゆうせい:先端の芽が優先的に成長する性質)を抑え、脇芽(側枝)の発生を促して株全体の枝数を増やしたり、過剰な栄養生長を抑制して結実を促進したりする効果がある。
摘蕾 (てきらい)
開花前のつぼみを摘み取る作業。特に一番最初についたつぼみや、多すぎるつぼみを摘み取ることで、株全体の栄養が分散するのを防ぎ、残した花や果実の品質や肥大を促す目的で行われる。
点まき (てんまき)
種子を一定間隔に数粒ずつまとめてまく方法。間引き作業が比較的容易になる。
透水性 (とうすいせい)
土壌が水を浸透させる能力。水はけが良い土壌は透水性が高い。
土壌改良 (どじょうかいりょう)
作物の生育に適さない土壌の物理的、化学的、生物的性質を改善し、生産性を高めるための措置。堆肥の施用による団粒構造の促進、石灰資材によるpH調整、深耕による排水性改善などが含まれる。
土壌診断 (どじょうしんだん)
土壌サンプルを採取し、専門機関でその物理的(土性、密度)、化学的(pH、主要養分、微量要素など)、生物的(微生物相)な性質を分析・評価すること。これにより、土壌の現状を正確に把握し、過不足している養分や改善すべき点を明確にして、次作の適切な施肥設計や土壌改良計画を立案する。
土壌消毒 (どじょうしょうどく)
土壌中に潜む病原菌、害虫、線虫、雑草の種子などを殺菌・殺虫・不活化させる処理。化学薬剤を使用する方法(土壌くん蒸など)や、太陽熱を利用する方法(太陽熱消毒)などがある。連作障害の対策として行われることが多い。
土壌被覆 (どじょうひふく)
土壌の表面をシート(マルチ)や稲わら、刈り草などの資材で覆うこと。地温の調整(上昇・抑制)、土壌水分の蒸発抑制、雑草の発生抑制、雨による土壌流亡の防止、病害虫の抑制など、多様な効果が期待できる。マルチングと同意。
土寄せ (つちよせ)
植物の株元に周囲の土を寄せる作業。これにより、根の露出を防いで保護し、支持力を高めて倒伏を防止する。また、ネギやダイコンなどでは白い部分(軟白部)を長くしたり、ジャガイモなどではイモの緑化を防ぐ効果もある。
トンネル栽培 (とんねるさいばい)
作物の畝の上に弓状の支柱を立て、その上をビニールや不織布などで覆う栽培方法。地温の確保や病害虫、強風からの保護が期待できる。
特性 (とくせい)
特定の植物種や品種が持つ、生育、形態、生理機能、病害虫への抵抗性など、固有の特徴や性質。栽培計画を立てる上で、それぞれの作物の特性を理解することが重要となる。

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【な行】

軟腐病 (なんぷびょう)
主に細菌( Erwinia carotovora など)によって引き起こされる植物の病気。罹病(りびょう)した部分が水浸状になり、軟らかく腐敗して特有の悪臭を放つのが特徴。特に多湿な環境下で発生しやすい。
中耕 (ちゅうこう)
作物の生育中に、畝の表面を浅く耕す作業。土壌の通気性改善、雑草の除去、土の乾燥防止などの効果がある。土寄せと合わせて行われることが多い。
濃度障害 (のうどしょうがい)
土壌溶液中の肥料成分濃度が高くなりすぎることで、植物の根が正常に水分や養分を吸収できなくなり、生育不良や枯死に至る現象。いわゆる「肥焼け(こえやけ)」と呼ばれる状態。特に乾燥時や未熟な有機物の分解時に起こりやすい。
根こぶ病 (ねこぶびょう)
土壌中のカビの一種であるプラスモディオフオラ・ブラシカエによって引き起こされる病気。主にキャベツ、ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科作物に発生し、根に大小のこぶ(肥大した組織)を形成する。これにより根からの水分・養分吸収が阻害され、生育不良や枯死に至る。土壌pHが酸性に傾くと発生しやすい。

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【は行】

播種 (はしゅ)
作物の種子を土壌や育苗培地にまく作業。種まき。発芽条件(温度、光、水分)を整えることが重要。
ハダニ (はだに)
体長0.5mm程度のクモの仲間で、葉の裏に寄生し、植物の汁を吸う害虫。吸汁された葉は白っぽい小斑点(かすり状)ができ、ひどくなると葉全体が白っぽく変色したり、枯れたりする。乾燥した環境で繁殖しやすい。
発芽 (はつが)
種子から芽が出ること。植物の生長サイクルにおける最初の段階。胚が成長を開始し、根や芽が種皮を破って現れる。温度、水分、酸素、光(一部の種子)など適切な条件が必要。
発芽適温 (はつがてきおん)
植物の種子が発芽するために最も適した温度範囲。この範囲を外れると、発芽率が低下したり、発芽に時間がかかったり、全く発芽しない場合もある。種子袋に記載されていることが多い。
pH (ぺーはー)
土壌溶液の酸度(酸性・中性・アルカリ性)を示す指標。0から14までの数値で表され、7.0が中性。植物の養分吸収に大きく影響するため、適切なpH範囲に調整することが重要。多くの野菜は弱酸性~中性(pH6.0~7.0)を好む。
病害虫 (びょうがいちゅう)
植物に病気をもたらす病原菌(カビ、細菌、ウイルスなど)や、生育を阻害する害虫の総称。栽培において最も対策が必要な要素の一つ。
物理性 (ぶつりせい)
土壌の物理的な性質のことで、土壌粒子の大きさ(土性)、団粒構造の程度、土壌の硬さ(膨軟性)、水はけ(透水性)、保水性、通気性などが含まれる。これらは根の伸長や土壌微生物の活動に大きく影響する。
物理的防除 (ぶつりてきぼうじょ)
化学農薬を使用せず、物理的な手段を用いて病害虫の発生を抑制したり、被害を防いだりする対策。例としては、防虫ネットや寒冷紗による侵入防止、粘着トラップによる捕獲、手作業での害虫駆除などが挙げられる。
不織布 (ふしょくふ)
繊維を織らずに絡み合わせてシート状にした資材。保温、防虫、防霜、遮光などの目的で植物や畝を覆うために使用される。通気性や透光性があるため、トンネル栽培などに適する。
腐葉土 (ふようど)
広葉樹の落ち葉などを、微生物が分解・発酵させてできた土壌改良材。土壌に混ぜ込むことで、土の団粒構造化を促進し、保水性、通気性、排水性を高める効果がある。また、微生物の活動を活発にし、土壌の肥沃度を高める。
覆土 (ふくど)
種子をまいた後、その上から土をかぶせる作業。種子を乾燥から守り、光条件を調整し、発芽に必要な水分と温度を確保するために行う。覆土の厚さは種子の種類によって異なる。
防虫ネット (ぼうちゅうねっと)
害虫の侵入を防ぐために、畝や植物全体を覆う目の細かい網状の資材。目合い(網目の大きさ)によって防げる害虫の種類が異なる。物理的防除の代表的な手段。
畝間 (ほじょうかん)
複数の畝が作られている畑全体を指す言葉。圃場と書かれることも多い。
圃場 (ほじょう)
農作物を栽培する場所、つまり畑や田んぼのこと。特定の区画を指す際に用いられる。
保水性 (ほすいせい)
土壌が水分を保持できる能力。保水性の高い土壌は、一度水を与えると水分が長く保たれるため、乾燥に強く、水やりの頻度を減らすことができる。腐葉土や堆肥などの有機物を多く含む土壌は保水性が高い傾向にある。
ボカシ肥 (ぼかしごえ)
油粕、米ぬか、魚粕などの有機質肥料原料に、土や微生物資材、水を加えて混ぜ合わせ、発酵・熟成させた肥料。原料が微生物によってある程度分解されているため、有機質肥料特有の異臭が少なく、緩効性で土壌環境の改善効果も高い。

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【ま行】

間引き (まびき)
密生して生長した植物の中から、生育が劣る株や病害虫に侵された株などを取り除き、生育の良い株を選んで残す作業。これにより、残った株に十分なスペースと養分、光を与え、健全な生育と収量・品質の向上を図る。
マルチング
土壌の表面をシート(ビニールマルチなど)や稲わら、刈り草などの資材で覆うこと。地温の調整(上昇または抑制)、土壌水分の蒸発抑制、雑草の発生抑制、病害虫の抑制、土壌流亡防止など、多岐にわたる効果がある。土壌被覆とも呼ばれる。
又根 (またね)
ダイコン、ニンジンなどの根菜類において、根の先端の生長点が、土中の石や土塊、未熟な有機物、肥料の塊などに接触したり、乾燥や過湿によって障害を受けたりすることで、根が二股以上に枝分かれしてしまう現象。商品価値が低下する原因となる。
緑肥 (りょくひ)
土壌改良や地力増進を目的に栽培され、花が咲く前などに土にすき込む植物(作物)。マメ科のヘアリーベッチやイネ科のエンバクなどが代表的。有機物の供給、土壌構造の改善、病害虫抑制などの効果がある。
無機質肥料 (むきしつひりょう)
化学的に合成されたり、鉱物資源を加工して作られた肥料。窒素、リン酸、カリウムなどの栄養成分がイオンとして含まれており、水に溶けやすく植物に速やかに吸収されるため、即効性がある。化学肥料とも呼ばれる。
目合い (めあい)
防虫ネットや寒冷紗などの網状資材の、網目の大きさ。目合いが細かいほど微細な害虫の侵入を防ぐことができるが、通気性や透光性が低下する場合がある。

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【や行】

薬剤散布 (やくざいさんぷ)
病害虫の発生を抑制または駆除するために、農薬を植物の葉や茎、土壌などに散布する作業。適切な薬剤の選択、希釈倍率、散布時期、回数などを守ることが重要。
養分吸収 (ようぶんきゅうしゅう)
植物が根や葉を通じて土壌や空気中から栄養素を取り込むこと。光合成に必要な二酸化炭素、水、そして土壌中の肥料成分などが含まれる。
葉面散布 (ようめんさんぷ)
液体肥料や微量要素の希釈液を、植物の葉の表面に直接スプレーして散布する施肥方法。葉の気孔やクチクラ層から直接栄養が吸収されるため、根からの吸収が困難な場合や、速効性が求められる場合に有効である。
ヨトウムシ (よとうむし)
ヤガ科のガの幼虫で、夜間に活動し、様々な種類の植物の葉や茎、果実を食害する。昼間は土中に隠れていることが多い。食欲が旺盛で、大規模な被害をもたらすことがあるため、早期発見と対策が重要。

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【ら行】

罹病 (りびょう)
植物が病原菌に感染し、病気にかかること。罹病した株は速やかに隔離または除去することが、病気の蔓延防止に繋がる。
リン酸成分 (りんさんせいぶん)
植物の三大栄養素の一つ。花芽形成、開花、結実、根の発育などに重要な役割を果たす。不足すると花つきや実つきが悪くなる。
輪作 (りんさく)
同じ圃場(畑)で、異なる種類の作物を計画的に順番に栽培すること。連作障害の回避、特定の病害虫の密度低減、土壌養分の偏り防止、土壌構造の改善など、土壌の健全性を維持し、安定した収量を確保するために非常に有効な栽培技術である。例:ナス科の次はマメ科を植える。
連作 (れんさく)
同じ圃場(畑)で、同じ種類の作物、または同じ植物科の作物を続けて栽培すること。
連作障害 (れんさくしょうがい)
同じ圃場(畑)で、同じ種類の作物(または同じ科の作物)を連作することによって、土壌中の特定の養分が偏ったり、特定の病原菌や害虫(線虫など)が異常に増殖したり、土壌構造が悪化したりすることで、後作の生育が著しく阻害されたり、収量が減少したりする現象。輪作によって回避されるべき問題である。

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