8月の家庭菜園『今から種まき可能な野菜はなに?』

梅雨が明け、本格的な夏の暑さがやってきましたね。日中の強い日差しと熱帯夜が続く毎日ですが、この時期を上手に利用すれば、秋から冬にかけて収穫できる美味しい野菜を家庭菜園で育て始めることができます。8月は、コマツナやホウレンソウのような葉物野菜から、食卓の主役になるキャベツやブロッコリーまで、多様な野菜の種まきや定植に適した時期なんです。
夏の疲れが出やすい季節ですが、涼しい朝夕の時間帯を利用して、土に触れ、緑を育てる時間は、きっと心身のリフレッシュになるはずです。今回は、8月に家庭菜園で植えたい野菜の種類と、それぞれの栽培のポイント、そしてこの時期ならではの注意点について詳しくご紹介します。夏の暑さに負けず、秋の豊かな収穫を目指して、一緒に家庭菜園を楽しみましょう!
8月に種蒔き・植え付けを行う野菜一覧
種蒔き時期・植え付け時期の一覧は、関東周辺の一般的な平地を基準に表示していますので、お住いの地域や環境(標高や日照時間等)の地域の気候差を加味してお考え下さい。
タネまき
- コマツナ/収穫までの期間:夏まき約4〜6週間、秋まき約6〜9週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
過湿を避け排水を良好に保ち、キスジノミハムシ、立枯病、軟腐病に注意しましょう。防虫ネットや輪作、萎黄病抵抗性品種の利用が有効です。収穫は午前中に行い、10℃前後で保存してください。 - ミズナ/収穫までの期間:約4〜6週間程度/栽培難易度 ★★☆☆☆
コマツナと同様に比較的短期間で収穫できる葉物野菜です。アブラナ科の野菜として、適切な排水管理や害虫防除(特にアオムシ、コナガ)が重要です。 - カブ/収穫までの期間:約4〜6週間程度/栽培難易度 ★★☆☆☆
8月に種蒔きが可能です。キスジノミハムシの発生に特に注意が必要です。防虫ネットを利用して害虫の侵入を防ぎましょう。 - ニンジン/収穫までの期間:播種後約7週間で肥大期/栽培難易度 ★★★☆☆
土づくりと深耕が重要で、直根が真っ直ぐ伸びるよう土塊や肥料に当たらないようにします。間引き後、速効性肥料と土寄せを行い、青首を防ぎます。肥料過多は葉勝ちや曲がりの原因となるため注意が必要です。黒葉枯病やうどんこ病にも注意し、乾燥を防ぎ、肥料切れさせないようにしましょう。 - ホウレンソウ/収穫までの期間:夏まき約4〜6週間、秋まき約6〜9週間/栽培難易度 ★★☆☆☆
生育初期は十分な水分が必要ですが、高温期の過湿による軟腐病には注意し、株元に水がたまらないようにします。べと病抵抗性品種の利用も有効で、低温多湿時のべと病対策としてポリマルチや薬剤散布、病株除去を行いましょう。 - キャベツ/収穫までの期間:約2〜3ヶ月/栽培難易度 ★★★☆☆
8月に種蒔きが可能です。有機質に富み排水良好なほ場を選び、pHを6前後に矯正しましょう。基肥主体で、活着後早めに追肥し、結球開始期までに株を十分に育てます。深植えを避け、定植直後には灌水で活着を促します。定植後15日には中耕・土寄せを行い、除草と苗の曲がり防止を図ります。アオムシ、コナガ、根こぶ病、黒腐病に注意し、根こぶ病対策には薬剤混和、高うね、pH矯正、連作回避が有効です。 - ブロッコリー/収穫までの期間:約2〜3ヶ月/栽培難易度 ★★★☆☆
生育適温は15〜20℃です。べと病や黒腐病に注意が必要で、べと病は排水良好、密植回避、茎葉除去で防ぎ、黒腐病は種子消毒と連作回避が重要です。
植え付け
- ・ハクサイ/収穫までの期間:育苗期間約3週間、定植後約6〜7週間/栽培難易度 ★★★☆☆
育苗期間(8月上旬〜中旬)は防虫ネットや寒冷紗で害虫対策をします。軟弱徒長を防ぐため、灌水は午前中に、育苗後半は屋外で苗をしめます。本葉3〜4枚での定植が目安です。チッソ過剰やカルシウム・ホウ素欠乏、酸性土壌、過乾湿は生理障害を助長するため注意が必要です。根こぶ病、軟腐病、モザイク病にも留意し、適切な対策を行いましょう。
8月の野菜栽培Point
8月は夏の盛期であり、日中の気温が高い日が続きます。この時期に野菜を栽培する際は、高温や乾燥、そしてそれに伴う病害虫の発生に特に注意が必要です。それぞれの野菜に適した土壌環境や栽培方法は異なります。また、同じ野菜の種類でも品種・栽培方法(トンネル栽培・ハウス等)によって種蒔き時期は異なる場合がありますので、タネや苗の購入時によく確認する事をお勧めします。
定番野菜が多く植えられる季節。苗で販売されている物も多く手に入れやすいので、経験の浅い人でも安心です。そして、トウモロコシやスイカなどお子様にも人気の野菜が沢山出来る家庭菜園の晴れ舞台とも言えるでしょう。
- 水やり: 高温期は土の乾燥が早いため、朝や夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えましょう。日中の水やりは、土中の温度を上げて根を傷める可能性があるため避けるのが賢明です。
- 病害虫対策: 高温多湿の環境は病害虫が発生しやすい時期です。特にアオムシ、コナガ、キスジノミハムシなどの食害には注意が必要です。防虫ネットの利用や、早期発見・早期対応を心がけましょう。また、べと病や軟腐病などの病気にも警戒し、風通しを良くしたり、必要に応じて薬剤を使用したりするなどの対策を取り入れましょう。
- 土壌管理: 根の生育を良くするために、深く耕し、排水性と保肥力のある土壌を準備することが重要です。特にニンジンなどの根菜類は、土中の障害物があると変形の原因となるため、丁寧に土づくりを行いましょう。
- 遮光: 強い日差しが続く場合は、必要に応じて遮光ネットを使用し、葉焼けを防ぎましょう。特に発芽直後の幼苗はデリケートなので、注意が必要です。
- 適切な品種選び: 夏の暑さに強い品種や、病害抵抗性のある品種を選ぶことで、栽培の成功率を高めることができます。