ざっくりわかる土づくり【野菜別にみる土壌の基本】

庭菜園を始める際に大切なのが、良い土づくりです。

野菜が元気に育つためには、適切な土壌がとても重要で家庭菜園で美味しい野菜を育てるためにも、まずは土づくりを楽しむ事から始めましょう。

適切な土づくりを行えば、野菜たちは元気いっぱいに育ちます。このページでは、カンタンな土づくりに役立つポイントを紹介します。手軽に始めて、畑で楽しい時間を過ごしましょう!

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良い土ってなんだ?土壌診断

良い土の条件は、根がしっかりと広がりやすく、空気がよく通り、水がちょうどいい量で保たれることです。

野菜が育つためには栄養がたくさん必要です(多量必須要素と微量必須要素※)。この栄養を土壌に十分に与えるため、どうすれば良いのか?

自分の畑の現状を知る為には、土壌診断が役立ちます。キットや測定器を使って自分で行う方法もありますが、サンプルを持ち込むと診断してくれるホームセンターや専門店もあります。

多量必須要素(マクロ栄養素)は、植物にとって必要な量が比較的多い栄養素。これには、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)などが含まれます。これらの栄養素は、植物の生長、代謝、免疫系の機能に重要な役割を果たします。

微量必須要素(ミクロ栄養素)は、必要な量が少量である栄養素ですが、植物の健康維持に不可欠。これには、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ボロン(B)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)などが含まれ、酵素の構成や活性化、光合成、抗ストレス機能などに重要な役割を果たします。



診断に添った土壌改良で土づくり

土壌を良くするためには、堆肥や緑肥が役立ちます。

堆肥は自然から得た有機物で、土の中の生き物を元気にして、通気性と水の保持力をアップさせてくれます。

そして、緑肥は植物をそのまま土に混ぜることで、土を栄養たっぷりにしてくれます。これらを使って、野菜が育つのにいい土壌を作りましょう。

他にも、土壌のpH値も大切です。野菜の種類によって土の酸性度が違うので、酸性の土には石灰を混ぜて中和し、アルカリ性の土には鹿沼土やピートモスを混ぜるなどの対応をします。

そして土づくりはタイミングがとても大切。

本格的に土づくりから始めたい人は、種や苗を植える前の約2ヶ月前から始めるのが良いでしょう。その期間で、土を良くして栄養を補充することで、野菜が元気に育つ土を整えることができます。

家庭菜園を楽しむためには、まずはいい土づくりから始めましょう。基本をしっかり押さえて、土壌を作って管理することで、美味しい野菜が収穫できるようにがんばりましょう。

土壌改善の例

改善前の土壌: 肥沃さに欠け、排水が悪く、栄養分が不足している場合。

  • 改善策: トマトやナスなど、栄養を多く必要とする野菜には、古葉や野菜くずを集めて堆肥化し、土に混ぜ込みます。有機物を補充し、土壌の栄養価を向上させる効果があり、コンポストでの堆肥作りも一般的になりました。

改善前の土壌: 酸性でpHが低い土壌。

  • 改善策: 石灰を追加して土壌のpHを調整します。そうする事で野菜の栄養素吸収が改善され、健康な成長が促進されます。 対象となるのは、ブルーベリーやイチゴなど、酸性土壌を好む野菜や果物となります。

改善前の土壌: 窒素が不足しており、植物の成長が遅れている場合。

  • 改善策: ヘアリーベッチやクローバーなどが代表的な緑肥。または栽培した野菜を土中に埋め込み耕します。これにより土壌の窒素を補充し、次の作物の成長を助けます。レタスやほうれん草などの早期に窒素を必要とする野菜に対して有効です。
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野菜別 適した土壌

土づくりと一口に言っても、それぞれの野菜に対して適した土壌は異なります。以下は、参考までにどの程度の違いがあるのかざっくり簡単に紹介しています。

堆肥の必要量は、貸し畑・市民農園で比較的多い面積と思われる20㎡を目安に表示しました。

より具体的な情報が気になる方は、ご自身で調べてみることをお勧めします。

根菜類の土壌

ジャガイモ

土壌根は深さ30~40cm、横に半径40cmくらいに分布するため、深くて肥沃な軽い土が向いています。
排水良好な排水が必要。
堆肥20㎡あたり3kg(10aあたり1.5t)。
pH5~6が適します。4.5以下や7.0以上では生育が悪くなります。

にんじん

土壌排水が良く、保水力のある肥沃な土壌が適します。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pH6~6.5。

だいこん

土壌保水力があり、排水の良い、深い作土層のほ場が最適。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpH5.5〜6.8。



葉物野菜類の土壌

キャベツ

土壌深く、排水の良い土壌が適しています。湿度が高すぎる場所は避けましょう。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pH微酸性から中性土壌で良く生育。6~7でpH5.3以下では根こぶ病が発生しやすい。

はくさい

土壌作土が深く、排水・保水性のあるほ場が適します。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpHが6.0~6.5。酸性土壌では酸度を矯正するようにします。

レタス

土壌浅根性で、有機質に富む砂壌土や壌土が最適。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpH6~6.5に保つ。5.0以下では生育が抑制される。

ほうれん草

土壌緩やかで湿潤な土壌を好みます。排水が良く、通気性があり、肥沃な土壌が適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)の有機肥料を使用します。
pHpH 6.0〜7.0が最適です。土壌の酸性度をこの範囲内に調整します。



果菜類の土壌

トマト

土壌多様な土壌に適応できますが、特に排水性が良く、肥沃で有機物が豊富な土壌が最適です。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)の堆肥を使用します。
pHpH6.0〜6.8が最適とされています。

ピーマン

土壌特に排水性が良く、肥沃な土壌が適しています。適度な深さと柔らかい土が望ましいです。
堆肥20㎡あたり3kg(10aあたり1.5t)。
pHpH6.0~6.8が最適です。

ナス

土壌深くて排水の良い土壌を好みます。通気性があり、保水力がある肥沃な土壌が適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)
pHpH6.0~6.8が最適です。

スイカ

土壌深耕された肥沃で排水性の良い土壌が適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpH6.0~6.5が適しています。

メロン

土壌深耕された肥沃で排水性の良い土壌が適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpH6.0~6.5が適しています。

トウモロコシ

土壌深耕して根が広がることを期待できる作土が、適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pH6.0〜6.8。弱酸性から中性土壌が好ましいです。



豆類の土壌

大豆

土壌深くて通気性の良い土壌を好み、石灰分の多い土壌が良いとされています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)の有機肥料を使用します。
pH6.0〜6.8が最適です。

インゲン豆

土壌深くて通気性の良い土壌を好みます。排水が良く、湿度の管理がしやすい土壌が適しています。
堆肥20㎡あたり4kg(10aあたり2t)。
pHpHは約6.0〜6.8がインゲン豆にとって最適です。
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